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ゾンビーノ!パラレル版  作者: とれさん
41/45

第41話 「決戦part3」


ードカドカッ…バターンッ‼ー


《全王が死んだと言うのは誠かっ⁉》


ワール王はさも慌てた雰囲気で謁見の間に現れた


《はい…お父様は執務室に置かれた魔導具の暴発で…》


《何と…ではあの者が作った魔導具が全王の執務室に運ばれておったのか?》


《ワール王様は何かご存知ですの?》


ラクルが尋ねるとワール王はさも口惜しそうに答える


《…うむ。私の所に配属されたカズヤの友人が謀反を働こうとしてな、

それを私の部下が察知して捕縛したのだ。その時持っていた魔導具を全王に検分して貰おうと送ったのだが…

まさか魔導部に送られず全王の執務室に届いていたとは…》


ワール王が白々しく肩を落として残念そうに答えるとビレイ達も口惜しそうにしている


《我々がフェルトの持つ魔導具を検分出来れば良かったのですが何分高度な術式で…

力及ばず判別不可能となり王城に運ばせたのが間違いでした…》


ワール王達、迫真の演技である


《それで…そのフェルトとかいう罪人は何処に?》


《あぁ、処罰の判断を仰ぐ為「偶然」連れてきている。ビレイ、奴を此処に!》


《はい、我が君》


…随分都合の良い「偶然」ですね…


カズヤは謁見の間を映しているPDAの画面に苦笑いしていた


《フェルト、罪を自白せい‼》


「…はい、ワシは全王以下王達を殺しネクロポリスの実権を握るべく魔導具を作りましたじゃ。」


《…何と言う事だ‼貴様のその暴虐が全王を弑逆するに至ったのだぞ!許す訳にはいかん!》


ワール王は憤怒の表情でフェルトに手を翳す


《お待ち下さいワール王様。今此処で殺してしまっては事の真相は闇の中です。

彼の単独犯行なのか否か精査してから断じても遅くはありません‼》


ラクルは攻撃呪文を発しようとしたワール王を止めた


《先王の遺児、ラクル嬢がそう申すのであれば控えよう。それで今後はどうするおつもりか?》


《…どうする、とは?》


ラクルは白々しく聞き直した


ーズシンズシンッ‼バタンッ‼ー


((全王は何処だっ⁉))

《ドラグが死んだって本当か⁉》


《おぉ、これはガイア王、グズリ王、遅かったですな?》


《はっ‼仕方ねぇさ、俺達の領地はワール王の所より離れているからな‼そんでドラグ王は何処だ?》


《…此処に…》


((おぉ。。。何と言う事だ…))

《あのドラグ王があっさり殺られちまうなんて…》


二人も迫真の演技で落胆している


《今ラクル嬢に話していた所だが…今後の事はどうするのだ?》


《ん?それは「誰が全王の跡を継ぐか」って事か?随分性急なこったな⁉

先ずはドラグ王の葬儀が先だろうぜ?》

((その通り。全王の選出はその後でも遅くはなかろう))


《フフン、だからお主達は呑気だと言われるのだ‼現にこうして全王は弑逆された!

このフェルトとか言う半ゾンビの単独犯行だと思っておるのか?》


《…と言うと?》


《こ奴に可能な犯行ではないわ‼使われた魔導具に施された高度な術式を見れば

他国より遣わされた暗殺者と考えるのが当然ではないか‼》


((成る程、ではあのカズヤも…))


《当たり前だ!今ビレイ達をカズヤの捕縛に向かわせた。直ぐに彼奴の正体を暴いてみせようぞ‼》


ワール王はさも英雄と言った気概でカズヤ達の処断を行う事を宣言する


ー『ぷぷっ‼』ー


《…⁉誰かおるのかっ⁉》


《ワ、ワール王様。今のはお父様の遺体から発せられた「ガス」の音ですわ⁉》


《何と…では毒薬の影響でガスが溜まっておられたのかも知れんな…皆の者、近づかぬ様に!》


ワール王の言葉で全員がドラグ王達の遺体から離れる


(全く…ドラグ王様は何途中で吹き出しちゃってんだよ…)


カズヤはPDAの画面を見てため息を吐く


ーバタバタッドカーンッ‼ー


《罪人カズヤ‼ドラグ王弑逆の罪で貴様を捕縛する‼大人しく観念しろっ‼》


「は?俺が一体何を?」


《ええぃ‼申し開きは謁見の間におられる王達の前で致せい‼皆の者、捕縛しろっ‼》


カズヤは部屋に踏み込んで来たビレイ達にあっさり捕縛された


《我が君、罪人カズヤを連行致しました‼》


《うむ、こちらに引き出せ‼》


カズヤは縄でがんじがらめにされドラグ王達の遺体の前に突き飛ばされた


《カズヤよ、うぬは全王にあれだけ恩を受けながら仇で返すとは何事かっ!》


ワール王はカズヤを責め立てる


「え?俺は何もしてませんよ?」


ー『ぷふぅ‼』ー


《見ろ‼全王が死して尚貴様を恨んで嘆いておるぞ!》


(…危なかった…ドラグ王様いい加減にして下さいよ…)


「だから俺は何も…」


《ええぃ‼黙れっ‼自白はもうフェルトがしておるわっ‼貴様は此処で死ねっ!》


ワール王は生きていては都合の悪いカズヤを制止される前に殺すつもりだった


ーキュイィィン…キュバッ‼ー


《ワ、ワール王‼お待ちをっ‼》


ラクルの制止も聞かずワール王はカズヤに攻撃呪文を放った


「ギャァァッ‼」


カズヤはワール王の攻撃を受け消滅してしまった


《あぁ‼カズヤ様っ⁉》


ラクルは目の前の光景につい叫んでしまった

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