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ゾンビーノ!パラレル版  作者: とれさん
30/45

第30話 「王達との謁見part1」


ーフェルトの私室ー


「あはは‼じゃあ俺はあの時死んでたかも知れないんですね?」


「あぁ、ワシはあと一歩で死霊術を放っておった所じゃった」


二人の会話は昼夜問わず続いていた


ーコンコンー


《失礼する。主様がお呼びだ》


「あ、分かりました」


カズヤはドラグに呼ばれた様だ


「じゃあフェルトさん、行ってきます」


「うむ。気をつけての」


「はい」


カズヤは案内役のドラウグルに続いてフェルトの私室を後にした


ーガシャ、ガシャ、ー


「あのー…今から他の王様に会うんですか?」


《…謁見の間でスカル王が待っている》


(スカル王…骨同士だからかな?色々バレないと良いけど…)


《スケルトン、カズヤを連れて参りました》


ドラウグルが宣言すると謁見の間に緊張が走る


『カズヤよ、前に進むが良い。』


ドラグの声にカズヤは前に進む


玉座の脇に新たな席が設けられそこにはスカル王とおぼしき魔物がドラグと共に座っていた


《ふんっ、お前がカズヤか。俺は死骨の王、クリムだ‼》


横柄な態度に敵意を感じたがここでの争いは危険と感じたカズヤが自己紹介する


「初めまして、スカル王。俺はカズヤと言います」


《知っておるわ‼ところでお前はスカル族であろうが‼俺の僕であるのに敬意を払わんとは…》


『…クリム王よ。事を荒立てるでない。』


《し、しかし全王!死骨の王としての矜持が!》


『今はカズヤは我の客分である。恥をかかせるつもりか?』


《そ、それは…》


クリムはドラグの静止に言葉が詰まる


「…これは失礼しました。実はスケルトンになったばかりで礼儀作法を学んでおりません。

無作法はどうかご容赦下さい、スカル王様」


カズヤは何となく空気を読んで恭しく説明した


《…ふんっ!》


(この二人の力関係はドラグが圧倒していそうだな…)


カズヤがそんな事を考えているとドラグが訊ね始めた


『カズヤよ、フェルトとは話は出来たか?』


「あ、はい。ありがとうございました」


『してそちの考えは変わらぬか?』


「はい。 フェルトさんは先々代の師匠と巡り会えた様で安住を希望しておりました。

彼の安堵している姿を見て安心しましたのでこのまま去ろうと思います」


《待てっ‼死骨のお前がこの地を去る事は俺が許さん!》


クリムは立ち上がると腰の刀剣に手を掛ける


『…クリムよ。我の前での狼藉は許さんぞ。』


ドラグはその言葉と共に威圧を孕んだオーラをクリムに向ける


《ぐっ…ぐぐっ…分かりました…》


クリムは威圧に負けてドサッと席に腰を下ろす


『カズヤよ。先に宣言した通り全ての王に会って貰う。その後はそちの自由にしろ。』


《し、しかし全王っ⁉》


『我の言葉である。』


ドラグの真紅の瞳が強い光を湛えるとクリムは一気に敵意を喪失した


《…分かりました…》


そう言うとクリムは瞳のない眼窩をカズヤに向けて忌々しげに頷く


『他の王達が城に到着するのはあと数日掛かろう。それまで部屋を用意する。寛ぐが良い。』


こう言うとドラグは立ち上がった


スカル王クリムとの最悪な謁見はこれで終わったのである


(…おのれ、カズヤよ。後で目にものを見せてくれるわ!)


クリムは王として恥をかかせたカズヤを逆恨みしてしまっていたのだ


《ではこちらに。》


いつの間にか案内役のドラウグルがカズヤの後ろに控えていた


「あ、はい。」


カズヤは未だにどす黒い怒りのオーラを放つクリムに一礼すると案内役に従って下がったのだった


ーガシャ、ガシャ、ー


謁見の間からの廊下にはいつの間にかスケルトンの兵が並んでいた


主とは念話等で意志疎通が可能なのか皆カズヤに対して敵意を剥き出しにしたまま屹立している


(あー、面倒な事になったなぁ…これ以上争いの種を増やしたくないんだけど…)


カズヤはスケルトン兵達に愛想笑いをしていたが笑顔が作れない体では何の意味もなかった


ーガシャ、ガシャ、ー


《…ここだ。入れ》


ーカチャ。ー


(おぉ、小綺麗な部屋だな…)


カズヤが案内された部屋は黒御影の城の雰囲気から一転しドラグの私室とも違う普通の部屋だった


前世のイメージでは洋館の応接室、と言った所だろうか。落ち着いた調度品に囲まれている


《ここは客分の部屋だ。寛ぐがいい》


そういうと案内役は部屋を後にした


(さぁて、この後どうしたモンかな?)


カズヤはクリムとの対面を踏まえ他の王達への対応を模索し始めた

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