第23話 「突然の再会part2」
(続き)
カズヤは「神の間」で大神と語り合っている
「…一朝一夕に戻れるって訳ではないのですね?」
「うむ。その証拠にお主、今の姿を元に戻してみぃ?」
「えっ⁉可能なんですか?」
「神の存在は何だとリリスに教わった?」
「…確か肉体を持たない存在だと…」
「そうじゃ。お主の記憶を辿れば「アストラル体」じゃの。
その意思は体現する姿にも影響を及ぼすのじゃよ」
「…今のスケルトンな体は俺が「そうあるべき」と望んだ姿だと?」
「望むというとちと違うの。あくまでお主の認識がその体を体現させておるのじゃ」
「…難しい話ですね…」
「ふむ、カズヤよ。ワシを見ておれ」
大神様はそう言うと目の前で絶世の美女に変身した
「うおっ⁉そ、その姿は…?」
「フォッフォッ、ワシは今「己の認識」を変えたのじゃよ」
「…その姿で老人が使う言葉は激しく抵抗感がありますね…」
大神様は姿を元に戻す
「以前「真名」の話はしたの?」
「はい」
「何故真名を知られるとマズいのかも覚えておるか?」
「はい。確か真名を知られると能力が全て失われいずれイデオロギーの喪失で消滅する、と」
「そうじゃ。では何故そんな事が起こると思う?」
「…さぁ?」
「それこそが今回の元凶じゃよ」
「???」
「アストラル体である我等は真名を知られると「消滅するという設定」を「疑って」おらん」
「「設定」ですか?」
「うむ。お主が神へと成った様に本来は魂の存在は自由なのじゃよ。何の制約も存在せぬ」
「。。。つまり「思い込み」が全ての事象を左右しているって事ですか?」
「お?此度は察しが良いのぅ」
「そりゃこれだけ回りくどく説明されたら察しもしますよ…
要は俺の不安や畏れが元の存在を不安定にし、こんな姿にもなっているって事でしょ?」
「その通り。認識する事象はそれに関わる全ての者の「思い込み」で成り立っておるのじゃ
人は人である事、神は神である事を「疑わない」から存在しておる」
「…それはまた迷宮的哲学ですね…」
「まぁその真理を理解したとて己を捨てられぬ以上その魂は何かに束縛されておるがの」
「…じゃあぶっちゃけ俺が無意識レベルで己の存在をイメージすれば何にでもなれるんですね?」
「うむ。理論上はな、だが神や悪魔と言ったアストラル体ですら何かしらの制約や束縛を受けておる。
縛る事によって己の存在を確立させておる部分があるからの」
「じゃあどうやって元に戻れば?」
「それはお主自身が見つけねばならぬ。ワシが出来る事はお主の認識を変える手助けをする迄じゃ」
「…後は己自身で…」
「うむ。漸く切欠を掴んだ様じゃの?
ワシはこれで戻るがお主は元に戻れたらリリスに感謝せいよ?」
「えっ?」
「ワシがお主を見つけられたのはリリスが消えたお主を必死に探したからじゃ。
リリスでは多面世界には来れぬからのぅ、必死に頼まれたわぃ」
「…神様…」
「ではワシは戻るぞ。早くリリスの元へ戻ってやれよ?」
「。。。はいっ!」
カズヤの決意を見定めた大神は微笑みながら姿を消した
ー…シュンッ‼ー
「⁉カ、カズヤ?何処に行っておったのじゃ⁉」
「…フェルトさん?…あぁ、戻ったのか…」
「一体何を言っておる⁉」
「あはは、「全て謎は解けた‼」ですよ‼」
「…気が触れたのか?」
「まぁ後々話しますよ。今はネクロポリスに行く算段をつけましょう!」
カズヤは完全に吹っ切れた表情(無いが)でフェルトに向かってサムズアップした
強引に整合性を持たせようとした作者はクリティカルヒットを貰い瀕死になった