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ゾンビーノ!パラレル版  作者: とれさん
17/45

第17話 「厳しい現実」

本編が完結の運びとなりました!

これでパラレル版も整合性を気にせず投稿出来ます?


カズヤ達は変わらず荒野を旅していた


「しかしこう景色が代わり映えしないと飽きますね」


「まぁ仕方がないじゃろうの。人里に近付けばお主は疎まれワシは憐憫の目で見られるのがオチじゃて」


「そうなんですけどね…」


カズヤはフェルトが乗る車椅子を黙々と押し進める


「ん?あれは…?」


荒野のど真ん中に黒い塊があった

近づくにつれその塊は人であるのが判明した


「手遅れ…ですかね?」


「いや、アレからは鼓動が聞こえるぞ?」


「え?それって何かの能力ですか?」


「お主がゾンビだった時はどうだったんじゃ?」


「さぁ…感じた事はなかったですね」


「ふむ、もしかすると種族が違うのかも知れんの」


「種族…ですか?」


「うむ、ゾンビにもその変態経路によって能力が違うのじゃよ」


「あ、それより先ずはあの人を助けないと‼」


「そうじゃな」


カズヤはフェルトを残して塊に歩み寄る


「あの、大丈夫ですか?」


ーガキンッ‼ー


「は?」


塊が突然動いたかと思ったらカズヤの肋骨が火花を散らした


「ちっ、硬いな…」


「⁉」


「カズヤよ‼そいつは「魔物ハンター」じゃ‼」


初めて聞いた。魔物ハンターって…依頼か何かで魔物を狩っているのか?


「折角久しぶりに依頼が来たってのによぉ、お前は倒しにくそうだなぁっ!」


「そっか…忘れていたけど俺、魔物なんだよな…」


「はっ‼何ぶつくさ言ってんだよ!早く倒されてくれよ‼」


男は小刀で次々と攻撃を繰り出すがガックリと肩を落として動かないカズヤの体に傷1つつけられずにいる


「マジで倒せねぇ?何だこの骸骨は‼」


ーキンッ‼ガキッ‼ガンッ‼ー


「カズヤよ、諦めぃ。」


「…はい」


カズヤは男の攻撃をサッと躱すと男の首筋に手刀を見舞った


ーダンッ‼ー


「ぐっ⁉」


男は膝から崩れ落ちた


カズヤは哀しげな雰囲気を醸し出しながらフェルトの元に戻った


「分かっているとは言えこの扱いには慣れませんね…」


前のターンではゾンビとして生きたカズヤだが疎まれる事が殆どなかった

だから今、スケルトンとして存在する事に困惑しているのだ


「容姿は所詮「みてくれ」じゃよ。だが人は惑わされる

この不条理をお主がどう噛み砕くかじゃろうて」


「ですね…まだそこまで達観出来ませんが」


カズヤの心は揺れていた

このまま生を繋げて何の意味があるのだろうか?

あの時、酸の沼で息絶えていたなら…


「…お主、また闇を覗いておるようだの」


「今までが恵まれていたせいかちょっと辛いですね…」


「ふむ、「在るがまま」じゃよ。どんな姿、どんな心持ちになろうがそのままを受け入れるのじゃ」


「しかし…」


「バカ者め‼ワシにそれを教えたのはお主じゃぞ?」


「えっ⁉」


「お主はワシに過去の怨嗟を捨て今を生きよと教えたのじゃ。そのお主が身を持ち崩してどうする‼」


「…ですよね…良し!気合いを入れ直すぞっ‼」


カズヤは自分の頬をパンッと叩いた…つもりだったが骨と骨が当たって


ーカァンッ‼ー


という乾いた音が響いた


カズヤとフェルトはその様をどちらともなく笑いあった

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