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ゾンビーノ!パラレル版  作者: とれさん
12/45

第12話 「新たな旅路part1」


カズヤとフェルトは長い間語り合った


フェルトはカズヤの転生に興味を示し荒唐無稽なターンの話も細かく訊く程だった


「…ふーむ…お主の人生と話は実に興味深い。

世界は単独ではなく円環によって成り立ち更に他の円環同士が支え合ってまた成り立つとは…」


「この話を以前は人に話した事はありません。ただ1人を除いてね」


「…それがあのケノン王だと?」


「はい、多分異次元なので本人の記憶はないでしょうが…彼はそれを知って尚俺を盟友と仰ってくれました」


「得難い存在だったのだの。」


「はい。でも今会えば俺は確実に彼に討たれるでしょうね」


「うむ。。。」


「俺の前世では「仏教」という宗教があってその教えには「諸行無常」という思想がありました」


「「諸行無常」とな?」


「はい。「全ての物は移ろいやすく消滅をするものだ」という意味で拘っても意味がないそうです」


「成る程…」


「その言葉の後には「会者定離」という言葉が続きます」


「ほう?」


「これは「会う者とは必ず別れが来る」と言う意味で寿命だろうが殺されようが生き別れだろうが

人には必ず別れがある、という言葉です」


「成る程のう…実に深い言葉じゃ」


「この思想の根底には「輪廻転生」があるのです。

人にしろ何にしろこの世に生を受けた者は死後必ず転生して新たに生き、

死ねばまた転生を繰り返すのだそうです。俺は前世では世迷い事と思っていましたが今は確信しています」


「ふーむ。。。」


フェルトはカズヤの話を聞いて黙り込んでしまった

カズヤにはもうフェルトの怨嗟を止める手段は残っていない。

だからこそカズヤは自分の魂を以てフェルトの魂に語りかけたのだ


暫くの間二人の間に沈黙が流れた

耐え難い程の時間を要してその空気を打ち破ったのは他でもないフェルトだった


「…ワシのこの怨嗟もいずれはワシの死によって消え去るだろう。

残るのは村人が抱く怨嗟じゃ…これを断ち切る術はどちらかが「赦す」事…か」


「そうです。欠けた器は元通りにはなりません、だから拘っても何の意味もないのです」


「…うむ。分かった…ワシがその怨嗟の鎖を断ち切ろう。」


「本当ですか?」


「無論じゃ。但し条件がある。」


「…その「条件」とは?」


「1つは村人達に過去の行いを謝罪して欲しい。

これは赦す赦さないからではなくワシの最後の「欲」じゃ。」


「はい。お気持ちは分かります」


「次に…ワシはお主と共に生きよう。」


「え?」


「お主とてこのままでは人の世を生き辛かろう。

ワシもこの体だ、お互い補い合えば新たな活路も見出だせようて」


「成る程…確かに俺とフェルトさんはこのままでは自滅か討伐を免れませんね…」


「その通りじゃ。」


「分かりました。ではその線で纏まったと村人達に伝えてきます」


「うむ。だが恐らく納得はしないだろうて…その時はどうする?」


「あはは、どうせ疎まれる存在です…逃げるが勝ちでしょうね」


「ワハハハ‼お主は尚人を傷つけまいとするか?面白い、実に愉快じゃ!」


「これは俺の信念です。曲げたら俺が俺でいられなくなりますからね」


「ワハハ、分かった分かった。ではその流れで頼むぞ、カズヤ」


「はい。念の為にフェルトさんは脱出の手配をお願いします。しくじった場合は…」


カズヤとフェルトは「生きる為」に策を講じた。


ー洞穴の外、森の藪の中ー


「…おい、もうかなりの時間が経ったぞ?寝返ったか殺されたんじゃないのか?」


「うむ…もう少し待って出て来なかったら男達を連れて殲滅をしよう」


「分かった。ん?あれは…カズヤじゃないのか?」


「茶褐色の骨に刀…確かにカズヤだ。説得出来たのか?」


「…それは分からん。裏切りも含めて用心しろよ?」


「…分かった」


。。。


「ガストンさん、フィードさん、何とか話は纏まりました」


「おぉ、そうか。で、どうなった?」


「この件については村に戻ってお話しましょう」


「む?分かった」


こうして三人は村へと戻るのであった

本編とパラレル版、ちょっと休憩入りまーす


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