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第17話魔法学院と最強の清掃員

第17話です!一章最後です!(11月1日改稿)

 

 ここは何処だ……?頭がボーッとする……。

 眩しくて目が開けられない。

 意識を失ってそれで……手を何となく動かした。


 すると━━


 ムニュッ!


 ムニュ?何だこれ。柔らかいな。指が沈む。暫くムニュムニュしていると


「あんた何揉んでんのよ!」


 頭をぶん殴られ転がり落ちた。


「痛ってぇ!?」


 あ、目開いたわ。


 どうやら俺はベッドから落ちたらしい。


「あんた!女性の胸に触れるなんて何してくれてるの!?このケダモノ!」


 若草色の長い髪を束ね三つ編みにした白衣の女性が怒鳴っていた。


「うむ、素晴らしかった」


 白衣の女性がポケットから針が先端に付いていて液体が入った容器?を取り出してこちらに向けた。


 バシュッ!


 俺の顔の横を何か液体が通りすぎた。


 ゆっくりと後ろを向くと……


 ジュォォォォ!


 煙を発しながら壁が溶けていた。


「これは特性注射器。注射器は中の液体をこの針を通して体内に打ち込む道具。本来ならね。特性注射器は引き金を引くと中の薬が一滴発射されるのよ。この説明じゃこの薬の恐ろしさを理解していないわね。この部屋はヘパイストスって神器を作る神に片手間に作って貰ったのよ。 片手間といっても神器を作れる神が作った部屋。純神のパンチでも罅一つ入らない。わかった?」


 当たったら即死じゃないかッ!


「ほんとすみません。この通り」


 土下座だ。この白衣はヤバい。


「ふんっ、まぁ事情は聞いているし許しましょう。おそらく魂が身体にまだ馴染んでなかったんだろうし」

「なぁ、一ついいか?」

「何?」

「そのヘパイストスが作った部屋なのに溶かしちゃって大丈夫なのか?」

「……」

「……」





「あんたのせいよォォォォォォ!」




 白衣の絶叫が響き渡った。






 ***




 取り敢えず壁の問題を後回しにして、今の俺の状況について説明を受けた。


 ・シアが元の世界で何をしたか

 ・元いた世界が消滅した事とその原因

 ・シアの正体


「ったくあいつ無理しやがって……それでシアは何処にいるんだ?」


 情報が多過ぎて理解が追い付かない。


「さぁ?どーせすぐに回復するわよ」

「そのシアはルシファーで有名なのか?」

「ここで歴史の勉強をする気が無いから一言で済ませるわ。最強最悪の存在とされているわ」

「どうしてだ?」

「説明する気は無いわ。知りたかったら自分で調べなさい。それと貴方これからどうするの?」

「どうするとは?」

「私はルシ……シアに頼まれて貴方を治療してたのだけどこっからは自由」

「選択肢はあるのか?」

「選択肢は二つ。一つ目はこの世界に残る。二つ目は他の世界で0から始める。一つ目はこの世界には神の学舎があって多くの純神が様々な世界から集うから神と交流できるチャンスね。他にも悪魔だっているわよ。続いて二つ目。これは好きな世界を選んで貰って赤ん坊からスタートして貰う。魂は真っ白にされるから当然記憶も失うわ。新しい人生を楽しむのも悪くないんじゃない?貴方はシアと強い契約で結ばれているけど、解除する手段を彼女に託されているわ」


 悩むまでも無い。答えは━━


「俺はこの世界に残るぞ」


 あいつのいない人生は考えられない。


「わかった……でも貴方は学院に通えないわよ?貴方にはその資格が無い」


 なら俺は神と交流出来ないのか?でもさっき面倒って言ってたな。


「俺は強くなりたい。だから神と交流できるいい手段は無いのか?」

「一つだけね。学院はとある組織を抱えていて、この組織は数多くの問題を処理する為に存在している。その組織のメンバーは『清掃員』と呼ばれてる。『清掃員』は優秀な人神で構成されている精鋭の集団だけど実力が認められればメンバーになれる。メンバーに加わることが出来れば神との交流が可能ね」


 俺の知って清掃員じゃないと大分違うな。


「その『清掃員』になるには?」

「さっき言った学院で試験を受けれるわ」

「案内してくれるか?」

「ええ、構わないわよ。でも即答だったわね。ホントにいいの?」

「ああ、構わない。あいつだけに背負わせてしまったのは俺が守られる側だったからだ」

「……どう思うかは自由だけど貴方は人。解決出来る事と出来ない事もある」

「お前だって人だろ」

「一緒にしないでくれるかしら。私は神よ」

「そうなのか?」

「ふんっ、自己紹介がまだだったわね」


 白衣が胸を張って言った。


「私は医術の神アスクレピオス。気安く話かけると溶かすわよ」


 自己紹介よりも揺れる胸が気になった。さっき触ったから分かるんだがデカイ。


「どこ見てんのよ!」

「痛っ!?」


 ぶん殴られた。


「あんたまたさっきの撃つわよ」

「悪かったよ……」











 俺達は外に出た。どうやら先程居た建物は学舎の医療施設だったようだ。


「うぉ、スッゲェ!」


 俺は建築は詳しくないがとにかく凄い。

 何の金属かは解らないが様々な装飾が施されている。


「そうね、私も凄いと思うわ。地球と言う星のサグラダ何とかって言う建物がベースらしいわ。オーディン学院長が気に入ったらしいわ」

「そうなのか。その学院長センスいいんじゃねぇか?」

「……たまたまよ。それ以外はただの変態。会ったらわかるわ。それより言い忘れてたわね」




 白衣が立ち止まり俺の方を向いて腕を広げ言った。









「ここは数多(あまた)の神々や悪魔達が集うカエレムよ」









「ようこそデウス魔法学院へ。私達は貴方達を歓迎するわ」















「貴方達が何を成すのか……楽しみよ」

















 第一章魔法学院と最強の清掃員・終



魔法学院と最強の清掃員の読者の皆様ありがとうございます!

第1章は序章に近いので第2章アルカの活躍にご期待ください!

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