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大天使が勇者けしかけてくるのがうざい

作者: 頂の滝つぼ

ある世界にて、一つの大きな正方形の世界があった。

世界とは不思議なもので、なぜ綺麗な正方形で世界がまとまっているのか

この世界を作った神がいるのならば、ぜひ聞いてみたいところである。


大陸は4つの勢力に分かれており、北は光率いる天使勢力、西と東は人間が統治する国


そして、南は我々魔族が統治する国だ。


今や100の魔族を統べる王となったが、なんとなく世界を征服しなくてはいけないような気がして

なんとなく魔王と呼ばれる存在になっている。


先日、ここに天使に唆されて、私に刃を向けてきた集団がいたが

この魔王城ではよくあることだ。


奴らは城にある沢山のツボや財宝を勝手に開けてもっていった挙句

それを手にとって襲い掛かってきたのだ、下級ゴブリンも真っ青な図々しさである。

いや、もはや勇者ご一行というより、盗賊一行様ではないか


……というか、周りの警備はどうなってるんだ。


魔軍隊長などが、この城に駐留している以上、そうそう城内には入れないだろうに

そう思って外を見てみると、魔軍隊長が城の前で見事に仰向けの大の字になって倒れていた。

今時コメディでもないだろうに、何をしているんだ‥


そう思うと目を開いてこちらへ向けて数mはあろう大きな身体とカラカラとして声で言った


「あ、魔王様!晩メシ何にしましょう!」

「さっきまで倒れてたやつとは思えない言葉だな。魔軍隊長」

「いやー、あまりにもあの勇者たちが、爆発物っぽい呪文唱えてくるもので、死んだふりして様子をうかがってたのですぁ」


こともなさげに、そう話す。これが魔軍の隊長ってのもどうなんだと、改めて思いつつ


「そうか、おまえの様子見は大の字で寝て勇者の侵入を許すことなのだな」

「最近丸太割るのに夢中で全然ねれてなかったからついぐっすりと」


もはや突っ込むのも面倒だ


「まあいいわ……城内で盗まれたものも返してもらったし、倒したら光って勇者たち消えていったし」

「不思議なもんですよね。倒した瞬間きえていっちまうなんて」

「あ、ちゃんと備品取り返しておいたのですね」

「あたりまえだ、城の中のもの取られたまま返すものか、戦闘の合間に盗みまくってやったわ」

「窃盗コマンドを使ってくるラスボス・・・なかなかセコイっすなぁ」

「やられた分だけやり返す、〇返しだ。ついでにアイツらがつけてる高級装備も盗んでおいたわ。またココにくるためにしょーもない素材集めでもしてろ」

「売って、今日の晩御飯代にしやしょう!」

「むしろ魔王の間の前に奴らの装備を飾ってニヤニヤしたい」

「そりゃぁ、来るごとに自分たちの装備が飾られているの見るわけですね」

「楽しそうだなー」


などといつも通り軽口をたたきながら、城を掃除する


「しかしあの天使ども、毎回人間けしかけてくるの何とかなりませんかね」

「知らん、アイツら何が目的かもわからん。」

「いっそ、勇者送らないでくださいって、頼み込んでみたら」

「それいいな。いってくる」


……移動中


ー北天使勢力の土地にてー


最近の魔法は便利だ。どこにでもすぐいける

そういうと大天使の間へと移動した。


やたらキラキラとした装飾と広い間にある、身の丈にあわない、この空間の主が口を開いた。


「だれ?」


おまえは…魔軍殺そうとしている対象の名前すら知らんで勇者けしかけてたのか

と、口にしかけたが交渉している身だ。さすがにやめておく


「お初にお目にかかります。大天使様、わたくし魔王と呼ばれるものです」


「いきなり人の前に出てくるの失礼だと思うんだけど」


すごく面倒くさそうに話している。魔王城にいる深夜売店のバイト並みのだる感である。


いきなり勇者けしかけてくるのは失礼じゃないのですかそうですかと、言いかけたが堪える。我慢だ


「失礼いたします。何分魔法の登録先の場所がココだったようですから」


「今度からそこに大量の納豆引いておくわ」


「納豆は好きですよ?食べるのは」


「じゃあネギ納豆ね。あなたネギ嫌いそうな顔しているもの」


「それはキツイ・・・」


何の話をしているのかと内心思ったが、とりあえずお願いしてみることにした。


「あの大天使さん?私の城に勇者に話して、人族に襲わせるのやめてくれませんかね?」


「……」


突然無言になる。アレ、オレヤバイこと言っちゃった?

次に攻撃魔法きたらどうしよう、などということを考え


どれぐらいの時間が経っただろう。大天使が口を開いた


「プッ」


おもちゃが落ちたことを喜ぶ幼児のように笑い出した。


「このため好きなのよねー」


おちょくってんのかコイツは


「えっと、お返事は?」


「いいよー」


「そんなアッサリ・・・結局なんで勇者をコチラにけしかけてたのです?」

「アイツら、なんか私たちに羽が生えてるってだけで、なんでも信じるんだもん。面白いからなんか悪いやつらいるよー、アイツらのせいで悪いことおこるよーって話を何百年もでまかせ言い続けたらそうなったってわけ」


「おいこら」


確かに天使は人や魔族の寿命の何倍もあるという


「まあ人間同士の戦争もなくなったし、こっちの地方静かになってよかったかなーって思って放置してたのよね。でも魔王さんいい人そうだからうわさ広めるのやめとくねー」


長年悩まされていた内容がこんなしょーもない内容だとは…

まあそりゃ、大天使の間とかかかれた、敵勢力に飛びこんでいきたかないけどさ…先代さんもっと早く天使に言おうよ…



///良い感じのBGM-エンドロール


戦争-紛争-人の世界に争いは絶えない…


人は話さなければ分かり合えないことがある


それは今日の平和へと続いているのだ…完


時間を割いてわざわざ読んでいただきありがとうございました。

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