表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/69

topics20 無限ループのお悩み

 さて、第二十二帖から始まった『玉鬘十帖』

 かつての恋人夕顔の娘の玉鬘(父は頭中将)と源氏の物語です。


 22帖【玉鬘】で運命的に出会い、養女として引き取り

 24帖【胡蝶】で告白

 25帖【蛍】では兵部卿宮をもてあそび

 27帖【篝火】でギリギリのラインを楽しみ 親子以上恋人未満

 28帖【野分】ではイチャつきシーンを息子《夕霧》に見られ

 29帖【行幸】で尚侍もありなんじゃね? と考えつき

 30帖【藤袴】では一体どうすんの? と夕霧に探りを入れられて


 9帖に渡って玉鬘ちゃんのことで悩みに悩む源ちゃん

 物語の中では3年の月日が流れています。


 自分のコイビトにするか

 他の男と結婚させるか

 尚侍として出仕させるか


 やっぱキレーだよなぁ

 自分のコイビトにしたいよなぁ

 でも紫ちゃん以上ってことはないよなぁ

 っつーことは嫁に出す?

 でもソレむっちゃムカつくだろーなー

 いっそ宮仕えか? それもアリか?

 キレーだからなぁ


 やっぱり……俺のコイビトに……


 これって無限ループだよなぁ……。

 うううううぅん。


 どうしよっかなぁ……。


 ラブレターいっぱい来てるしなぁ

 結婚させるのがいいんだろうなぁ



 でもコイビト……、

 俺のカノジョ……






 ってアナタ……



 オクサマいっぱいいるでしょーが!!


 女子力カンペキ妻の鑑の紫ちゃん

 癒し度200%の花散里さん

 理想のカノジョの明石ちゃん


『玉鬘十帖』に渡って悩みに悩むのですが、そんな?

 そんなに揺れる? 3年間も悩む?


 藤壺の宮さまとの禁じられた恋も

 朧月夜ちゃんとのアバンチュールも

 いけないってわかっていながらも突っ走ったくせに

 今回はどうしてそこまで悩むのでしょう。

 珍しく突っ走らない源氏くんです。


 突っ走らないのは源ちゃんなりに歯止めをかけてるのかな?

 だったらそれはNOなんですよ。

 玉鬘ちゃんの幸せを第一優先に考えて、いいお婿さんを探してあげればいいんですよ。

「俺よりいいオトコなんていない」ってか?

 百歩譲ってそうだとしても、玉鬘ちゃんを幸せにしてくれそうな人もたくさんいますよ。


 ワタシの推しは冷泉帝なんですけれどね。

 源ちゃんにとっては公にはできないけれど帝は実の息子だし、梅壺中宮さまや他に女御さまもいらっしゃるけれど、誠実なお人柄だからきっと幸せにしてくれる。

 尚侍として宮中に出仕して冷泉帝の寵愛もいただいて、恋に仕事に生きるのがいいと思うのですけれどね。

 源ちゃんも冷泉帝なら許せるんじゃない?

 冷泉帝には影の父として特別な感情を持っているから、間違っても恨んだりしないでしょうし。


 源氏自身もそう考えたのかどうかはわかりませんが、玉鬘本人も嫌ではなさそうなので、宮中出仕をさせることに決めるようです。

 これにより玉鬘ちゃんに求婚していた男性陣はそろって失恋。「尚侍になる」(ほぼほぼイコール)「帝のご寵愛をいただく」ということなんですよね。


「フラれちゃってツラいよ」

「好きだったけど、元気でね」


 そんな手紙を送って玉鬘への気持ちに区切りをつけました。

 ほとんどの男性陣はね。おそらく源氏くんもね。

 ただね……、




 このあと、『玉鬘十帖』の十帖め、【真木柱】で急展開、です。

 現代では絶対に受け入れられないストーリー展開となります。

 言いたいことは山ほどあります。

 第三十一帖【真木柱】に寄せてのエッセイはまた別のトピックスにしますね。

☆【別冊】次回予告

topics21 理解不能の展開、唖然の結末

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ