表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/69

topics10 永遠のライバル? 最高の親友?

 第18帖 松風(【超訳】源氏物語episode18 ふたりの女性と娘のこと)に寄せて


 いよいよ明石の君が京にやってきます。可愛い娘ちゃんを連れて。占いどおりならこの娘ちゃんが妃になる。それなら母親の身分は高い方がいい。明石の君の身分を上げることはできないから身分の高い紫の上を養母にしようと源氏は考えるのね。

 いかにも男子的な思考よね。平安時代の女子もそれがいいわねって思うのかしら? 現代では理解しがたい思考よね。

 産んだ子供を育てられない、成長を見守れない。そんなツラいことあるかしら。

 他の女性が産んだ子供を育てる。愛するオットのためとはいえ穏やかに引き受けられるかしら。


 ……。明石の君と紫の上。どちらもツライです。


「明石ちゃんが産んだ子なんだけどさ、育ててくんない?」

 まさか、こんなチャラくは言ってないとは思いますが、どの面下げて源氏は紫の上に頼んだのでしょうね?

 紫の上も子供好きだから快く引き受けたって……、そんなもんですか?

 そして姫君を引き取ったあとでこんなにも愛おしいものを私はあの人(明石の君)から奪ってしまったんだわと気づき、源氏が明石の君のところに通うのを大目に見るようになるんですって。……、そんなもんですか?


「だいじょぶ、だいじょぶ。紫ちゃん、スンゲー子供好きだから」

 私は田舎娘でいずれは捨てられるんだからどうか放っておいて、と源氏を拒んだ明石の君を無理に口説いて娘ちゃんまで産んでもらったクセに、今度は身分が低いから自分の奥さんに育てさせるって、いったいどんな思考回路よ?

「あ、ホントにぃ? だったらお願いしちゃおっかな〜♬」

 言うか、アホ。


 今とは違う社会だってわかってますよ?

 でもねぇ、人の想いなんてそうは変わらないとも思うのです。

 好きな人との子供を育てたい。成長を見守りたい。

 一夫多妻だろうがなんだろうが、誰もがそう思うはず。でもそれさえ叶わない社会もあるんだなぁと思ってしまいます。


 この後、明石の姫君は紫の上に育てられ、源氏の一人娘として東宮(皇太子)に嫁ぎ、皇子・皇女を産み、中宮(皇后)となります。紫の上は自分の子どもでない姫君を可愛がり、女性としてのしつけを完璧にして、非の打ち所のない姫君へと育て上げます。

 東宮に入内(お嫁入り)するときに紫の上は姫君を明石の御方(明石の君)に返します。自分は宮中までついていけないので、お嫁入りのあとのお世話を明石の御方にお任せするということにして。明石の御方も姫君の実の母という身分を隠して表向きは姫君の女房という形で娘に再会します。

 このときに紫の上と明石の御方は初めて対面します。愛する源氏が自分以外に愛している人。お互い気になって仕方がなかった人。そして対面してお互いの美しさやすばらしさに感心するんですって。


 なんかねぇ。いくら一夫多妻が認められているからってダンナのオクサン(アイジン?)に会うんですよ。それで会ってみればすっごいステキな方だったから

「これじゃダンナも落ちるわね」

 って納得するって……。んで

「あなたみたいなステキな方が競争相手で嬉しいわ」

 って……。

 なんかねぇ……。

 そんなものでしょうか。

 まったく理解もできないし、共感もありません。




 平安時代って……、タイヘンだ。いったい何が「平安」なんだろう?





☆【超訳】源氏物語のご案内

関連するエピソードはこちら。よかったらご覧になってくださいね。


episode18 ふたりの女性とひとり娘

https://ncode.syosetu.com/n8727fe/18/



☆【別冊】♪次回予告

topics11 紫は悲恋の色?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ