高校生活の始まり
「ただいま。」
「おっかえりー。にぃーにぃ学校どうだったー?」
「美紀帰ってたのか。普通だったよ。」
「朝起きる気にはなったー?」
「······よし、飯食うか。」
「じゃあ毎日今日の朝みたいに起こすねー。」
「めっちゃ起きる気になりました。はい。」
「ふーん。分かったー。」
クッ美紀め、俺をここまで追い詰めるとはやるな。俺では勝てなくなった。全く凶暴になったものだ。
「あっ、にぃーにぃ今変なこと考えなかったー?」
「いやいや、全然考えてないよ。」
「ふーん。ご飯食べよー。」
デジャブ感が半端ないな。勘のいい美紀め。
そんなやり取りがあり、すぐに夜になり、俺達はベッドに潜った。
ぴよぴよぴよ
「しっかり起きたぞ美紀。鼻はつまむなよ。」
「うん。分かってるよー。」
美紀は部屋から出て行った。フッ甘いぜ美紀。俺は今からもう1度寝る!!
「もう1度寝ようとしたら蹴るからねー。」
なに!?計画がバレている!!こうなったら起きるしかない。起きよう。
「「行ってきます(まーす)。」」
「行ってらっしゃい。」
俺と美紀は母さんに見送られながら学校に向かった。
「はよー。」
「あぁ、おはよ。拓。」
「いきなり名前呼ばれか。さっすが智。」
「嫌だったか?」
「全然いいよ。」
苗字で呼ぶのはどうかな?と思ったけど変だったかな?俺、そういうのには弱いんだよな。うわっ!?誰かが後ろから抱きついてきたぞ。
「サトシっちおはよぉーな!」
「夏帆か。おはよ。」
「サトシっちがうちのこと名前で読んだで。友達だと思ってくれたん?」
「まぁ。知り合い程度には。」
「知り合い程度かよ。」
「サトシっちは知り合いにも名前呼びなんやな。」
「あぁ。」
やっぱり珍しいだけかな。多分そうだろう。
「サトシっち競走しよや。」
「何処まで?」
「校門や。」
「俺も入れてよ。負けないからな。」
「タクっちも速いん?」
「ある程度は。」
「んじゃ、行くでー。」
「俺の意見は無しかよ!」
「「よーいドン!!」」
「ちょっとぐらい話を聞けー!!」
「「あははははは」」
くっそ、結局俺の意見は無しかよ。強制すぎる。虐めだ。泣きたいわー。
競走の結果は1位が拓、2位が夏帆、3位が俺だ。はえぇなこいつ等。全然追いつけんわ。拓はマジで何者?まだ全然走れそうなんだけど!クッタクッタだわこっちは!!
「どうした?そんなんで足が速いとか言ってんのか?まだまだだなー。」
「はぁはぁ、タクっち速いな。全然追いつかんわ。マジ疲れたわ。」
「はぁはぁ、夏帆も結構速いぞ。全国レベルだよ。拓はマジでなに?全国レベルとかじゃないぞ。世界トップレベルだよ。」
「俺の友達に陸上で世界いった人は2人おるよ。そいつらに色々教えてたからな。」
「お前の友達何人居るんだよ。」
「んー、幼稚園で150人ほど、小学校で250人ほど高校で今40人ほど、友達の友達で500人ほど、友達の兄弟で400ほど、兄ちゃんの友達で10人ほどで合計1350人ぐらい。」
多いな、あとお兄ちゃん頑張れ!
「想像より多すぎだわ!!あとお前の兄ちゃん友達少ないな!!兄のコミュ力までとったんかお前は!!」
「サトシっちツッコミ凄いな。褒めたる。」
「ありがとう。じゃなくて、そこまで嬉しくないぞ!!」
「出たぞ、智の必殺技照れ隠しだ!!」
「そんな照れんでもいいんやよ。」
「照れてねぇよ!!あと、必殺技ってなんだよ。」
「「またまた、照れちゃって。」」
「息ぴったりだな!!もう疲れたわ!!はぁはぁ。」
「あっ、智そういえば大切な話があった。」
「はぁはぁ、なに?ボケてもツッコまんぞ。」
「俺らの相手って疲れるな。お疲れ様。」
「誰のせいだと!?あと疲れるって知ってんならやるな!!」
「「でもねぇ(なぁ)。」」
「なんだよ。」
「「智の反応が面白いからねぇ(なぁ)。」」
「うっさい!!」
はぁ、マジで疲れる。もう少し大人しくして欲しいものだ。
俺達はそのまま教室へ行った。ドアの前で美咲に会った。
「おはよ美咲。」
「み、美咲!?」
「え、うん。どうした美咲?」
「な、何でもないわ。おはよう智君。」
「俺を忘れるなよー。」
「拓君もおはよう。」
「ミサトっちおっはよーな。」
「夏帆ちゃんおはよう。元気だね。」
「サトシっちいじったから元気やでー。」
「やかましい!!」
「あはは、昨日特に喋ってないのにだいぶ仲がいいね。」
「うちとサトシっちは気が合うんや。」
「だとさ良かったな智。」
「余計なお世話だ!!」
「うちと仲良くしたくないの?」
「う、したくないわけではないけど、俺を弄るなよ。」
「「智がデレた!!」」
「うぜぇ!!」
「ほんとに仲がいいね。」
くっそ、また弄られた。これは虐めか!!酷いな!!泣きたくなってきたわ!!あと俺こんなに突っこむキャラじゃないわ!!そんな事を思いながら席につくと隣から
「御影君は大変だねー。疲れたー?」
「疲れたよ。あんなに突っ込んだことないし。」
「お疲れ様ー。お茶でも飲んだらー?」
「そうだな。」
俺は鞄の中から水筒を出し、飲み始めた。
「そこのおふたりさんは出来てるの?」
俺は吹き出しそうになった。
「ちげぇよ!!」
「うん、違うよー。」
「でも、あきらかに疲れた彼氏と慰める彼女だったぞ。」
「サトシっちに彼女が出来たん?」
「あら、智君なにイチャイチャしてるのかな?」
「智君は彼女がいるんだね。」
「お前ら2人は1回黙れ!!あと美咲にそれを言われる筋合いは無いぞ。そして、友也いつからいたんだ。」
「う、いいじゃん別に。智君のバカ。」
「そーだそーだ。智君のバカ。」
「俺が悪いの!?」
あれ?ここで変な弄りが来ると思ったんだけどな?
「なんでお前ら弄りを辞めた?」
「サトシっちが黙れって言ったやん。」
「う、そうだけどな。」
「弄って欲しかったの?」
「智君ってMなの?」
「ちょっと待とう。おいそこの女子3人でひくな!あと拓は笑うな!!友也笑ってないで助けて!!俺はMじゃない!!」
「「「「「またまたまた。」」」」」
「全員で言うな!!俺が困るわ!!」
「智、授業始まるぞ。静かにしろ。」
「誰のせいだと!?」
「おい!御影うるさいぞ。」
「ほんと、すいません。」
くっそ、クラス中の笑いものじゃないか。
そんな感じで俺の高校生活が始まった。