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胸の中の声  作者: 風鈴華山
2/2

高校生活の始まり

「ただいま。」

「おっかえりー。にぃーにぃ学校どうだったー?」

「美紀帰ってたのか。普通だったよ。」

「朝起きる気にはなったー?」

「······よし、飯食うか。」

「じゃあ毎日今日の朝みたいに起こすねー。」

「めっちゃ起きる気になりました。はい。」

「ふーん。分かったー。」


 クッ美紀め、俺をここまで追い詰めるとはやるな。俺では勝てなくなった。全く凶暴になったものだ。


「あっ、にぃーにぃ今変なこと考えなかったー?」

「いやいや、全然考えてないよ。」

「ふーん。ご飯食べよー。」


 デジャブ感が半端ないな。勘のいい美紀め。


 そんなやり取りがあり、すぐに夜になり、俺達はベッドに潜った。


 ぴよぴよぴよ


「しっかり起きたぞ美紀。鼻はつまむなよ。」

「うん。分かってるよー。」


 美紀は部屋から出て行った。フッ甘いぜ美紀。俺は今からもう1度寝る!!


「もう1度寝ようとしたら蹴るからねー。」


 なに!?計画がバレている!!こうなったら起きるしかない。起きよう。


「「行ってきます(まーす)。」」

「行ってらっしゃい。」


 俺と美紀は母さんに見送られながら学校に向かった。


「はよー。」

「あぁ、おはよ。拓。」

「いきなり名前呼ばれか。さっすが智。」

「嫌だったか?」

「全然いいよ。」


 苗字で呼ぶのはどうかな?と思ったけど変だったかな?俺、そういうのには弱いんだよな。うわっ!?誰かが後ろから抱きついてきたぞ。


「サトシっちおはよぉーな!」

「夏帆か。おはよ。」

「サトシっちがうちのこと名前で読んだで。友達だと思ってくれたん?」

「まぁ。知り合い程度には。」

「知り合い程度かよ。」

「サトシっちは知り合いにも名前呼びなんやな。」

「あぁ。」


 やっぱり珍しいだけかな。多分そうだろう。


「サトシっち競走しよや。」

「何処まで?」

「校門や。」

「俺も入れてよ。負けないからな。」

「タクっちも速いん?」

「ある程度は。」

「んじゃ、行くでー。」

「俺の意見は無しかよ!」

「「よーいドン!!」」

「ちょっとぐらい話を聞けー!!」

「「あははははは」」


 くっそ、結局俺の意見は無しかよ。強制すぎる。虐めだ。泣きたいわー。


 競走の結果は1位が拓、2位が夏帆、3位が俺だ。はえぇなこいつ等。全然追いつけんわ。拓はマジで何者?まだ全然走れそうなんだけど!クッタクッタだわこっちは!!


「どうした?そんなんで足が速いとか言ってんのか?まだまだだなー。」

「はぁはぁ、タクっち速いな。全然追いつかんわ。マジ疲れたわ。」

「はぁはぁ、夏帆も結構速いぞ。全国レベルだよ。拓はマジでなに?全国レベルとかじゃないぞ。世界トップレベルだよ。」

「俺の友達に陸上で世界いった人は2人おるよ。そいつらに色々教えてたからな。」

「お前の友達何人居るんだよ。」

「んー、幼稚園で150人ほど、小学校で250人ほど高校で今40人ほど、友達の友達で500人ほど、友達の兄弟で400ほど、兄ちゃんの友達で10人ほどで合計1350人ぐらい。」


 多いな、あとお兄ちゃん頑張れ!


「想像より多すぎだわ!!あとお前の兄ちゃん友達少ないな!!兄のコミュ力までとったんかお前は!!」

「サトシっちツッコミ凄いな。褒めたる。」

「ありがとう。じゃなくて、そこまで嬉しくないぞ!!」

「出たぞ、智の必殺技照れ隠しだ!!」

「そんな照れんでもいいんやよ。」

「照れてねぇよ!!あと、必殺技ってなんだよ。」

「「またまた、照れちゃって。」」

「息ぴったりだな!!もう疲れたわ!!はぁはぁ。」

「あっ、智そういえば大切な話があった。」

「はぁはぁ、なに?ボケてもツッコまんぞ。」

「俺らの相手って疲れるな。お疲れ様。」

「誰のせいだと!?あと疲れるって知ってんならやるな!!」

「「でもねぇ(なぁ)。」」

「なんだよ。」

「「(サトシっち)の反応が面白いからねぇ(なぁ)。」」

「うっさい!!」


 はぁ、マジで疲れる。もう少し大人しくして欲しいものだ。


 俺達はそのまま教室へ行った。ドアの前で美咲に会った。


「おはよ美咲。」

「み、美咲!?」

「え、うん。どうした美咲?」

「な、何でもないわ。おはよう智君。」

「俺を忘れるなよー。」

「拓君もおはよう。」

「ミサトっちおっはよーな。」

「夏帆ちゃんおはよう。元気だね。」

「サトシっちいじったから元気やでー。」

「やかましい!!」

「あはは、昨日特に喋ってないのにだいぶ仲がいいね。」

「うちとサトシっちは気が合うんや。」

「だとさ良かったな智。」

「余計なお世話だ!!」

「うちと仲良くしたくないの?」

「う、したくないわけではないけど、俺を弄るなよ。」

「「(サトシっち)がデレた!!」」

「うぜぇ!!」

「ほんとに仲がいいね。」


 くっそ、また弄られた。これは虐めか!!酷いな!!泣きたくなってきたわ!!あと俺こんなに突っこむキャラじゃないわ!!そんな事を思いながら席につくと隣から


「御影君は大変だねー。疲れたー?」

「疲れたよ。あんなに突っ込んだことないし。」

「お疲れ様ー。お茶でも飲んだらー?」

「そうだな。」


 俺は鞄の中から水筒を出し、飲み始めた。


「そこのおふたりさんは出来てるの?」


 俺は吹き出しそうになった。


「ちげぇよ!!」

「うん、違うよー。」

「でも、あきらかに疲れた彼氏と慰める彼女だったぞ。」

「サトシっちに彼女が出来たん?」

「あら、智君なにイチャイチャしてるのかな?」

「智君は彼女がいるんだね。」

「お前ら2人は1回黙れ!!あと美咲にそれを言われる筋合いは無いぞ。そして、友也いつからいたんだ。」

「う、いいじゃん別に。智君のバカ。」

「そーだそーだ。智君のバカ。」

「俺が悪いの!?」


 あれ?ここで変な弄りが来ると思ったんだけどな?


「なんでお前ら弄りを辞めた?」

「サトシっちが黙れって言ったやん。」

「う、そうだけどな。」

「弄って欲しかったの?」

「智君ってMなの?」

「ちょっと待とう。おいそこの女子3人でひくな!あと拓は笑うな!!友也笑ってないで助けて!!俺はMじゃない!!」

「「「「「またまたまた。」」」」」

「全員で言うな!!俺が困るわ!!」

「智、授業始まるぞ。静かにしろ。」

「誰のせいだと!?」

「おい!御影うるさいぞ。」

「ほんと、すいません。」


 くっそ、クラス中の笑いものじゃないか。

 そんな感じで俺の高校生活が始まった。

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