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錬金術師アーノルドの自由気ままな毎日  作者: 建山 大丸
2章 辺境の集落と新しいメンバー、である。
28/303

仲間との再開だ


 俺の名はダン。帝国でたった二人の現役特Aクラス探検家だ。






 色々あったが、無事に帝都に入る事ができた俺は、目に入った屋台で肉串を買い、それを食いながら見知った道をどんどんと進む。

 今回、俺が帝都にきた理由は新しいメンバーを探すためだ。


 そのために俺は、俺が信用しているチームの元メンバーから、信用できそうな連中を紹介してもらう為に帝都にやってきた。

 道行く人々を避けながら、大通りをまっすぐ進んでいくと目当ての建物が見えてきた。


 「チームを解散して以来か、ここにくるのは。ちょっと前の筈なんだけど大分前に感じるなぁ」


 それだけ、センセイといる毎日が充実してるってことなんだろうけどな。


 今、俺の目の前には石造りでできた4階建ての、周りの建物に比べ一際大きな建物がある。広く作られた入口には、ガタイの良い厳つい奴らから新人だと思われる若くてまだ体の線が細そうな奴らが数多く出入りしている。

 ここが俺の目的地、探検家ギルド本部。帝国領土内の都市と町村には必ず存在している、探検家ギルドを統括している場所だ。

 俺は、数ヶ月ぶりにギルドに足を踏み入れる。

 ギルド内も活気にあふれ、自分たちの求める依頼を探している奴、併設されている酒場で一杯やってる奴、受付嬢をしつこく口説いて、他の連中に物理的に撃沈されて外に放り出される馬鹿など、様々な奴がいる。

 俺が入ったことで、数人が俺に反応する。新しく探検家登録をした新人に、探検家の心得を手荒く教える中堅に差し掛かった探検家達だ。そこで心が折れた新人は、そのままいなくなるか、街中や比較的安全な帝都付近の依頼をこなして鍛えていく事になる。

 見所があるやつは、そのままチームに勧誘される事が多い。

 ちょっと厳つい程度のオッサンに凄まれたくらいで心が折れたり過剰にいきり立つ奴らは、敵性生物に襲われる可能性がある帝都外に出ても、ろくなことにならないからだ。手荒いが、先輩からの優しさとも言える。

 まぁ、それが趣味という性根の腐ったやつや同業者潰しのつもりでやる奴らももいることはいるんだが。

 ちなみに、俺はその腐った目をして絡んできた厳ついオッサンを、問答無用でボコボコに叩き伏せちまったから、逆に腫れ物に触る扱いを受けることになっちまったけどな。良い思い出だ。


 俺は、何人かが俺を見てこそこそ喋っているのを横目にギルドのカウンターに向かう。


 「ちょっと良いかい?」

 「はいっ!ようこそ探検k……」


 見知った受付嬢に声をかける。とても元気が良くて、笑顔がかわいらしい探検家連中にも人気の高い受付嬢だ。さっき、駆除された馬鹿もこの受付嬢を口説いていた訳だ。

 その彼女が整理していた書類を置いてこちらを振り向く。どうやら声をかけたのが俺だと気づいたようだ。


 「あ!ダンさん!お久しぶりです!いつ帰って来たんですか?」

 「あぁ、ついさっき帝都に着いたばかりさ。相変わらず人気だな」

 「え?見てたんですか?」

 「ちょうど馬鹿が他の連中に駆除されてるのを見かけたよ」


 俺がそういうと、受付嬢は困ったように笑う


 「あの人は、仕事も出来て、最近Dランクに上がった期待株だったんですが、どうにもお酒に弱いみたいで……」

 「じゃあ、これ以上は上がれねぇな」

 「そうなんですよねぇ……能力だけでいえばBランクまで行けそうだったんですが」


 探検家のランクは、仕事の功績のほかにもその人間の信頼性も大きく関わる。なにせ、Bランクまで行けば一代貴族に叙爵され、陛下の認証も下りる訳だから下手に降格することもできない。選ぶギルドの責任が重くなる訳だ。

 それだけの責任をもって信用を持てる人間を帝国政府に紹介しているからこそ、探検家ギルドは帝国政府との協力関係を強固に築けている訳だ。

 さらにCランク以上になれば、ギルド運営議会に探検家サイドとして参加することもできるし、引退後もギルドの役職に着くこともできる。なので、Cランクに上がるのにも相応の人間性が求められるわけだ。


 「それより、今日はどうしたんですか?何か依頼でも受けに来ました?」

 「あぁ、ウォレスに会いに来たんだけど、いるかい?」

 「あぁ、ウォレスさんなら…………ちょっとお待ちください」


 受付嬢はそういうと、奥にある書類を確認しに行く。どうやら、職員の予定が書かれているようだ。

 紙は、まだ高価な分類に入るんだが、製造ギルドが数十年前に再現に成功したらしく、それからここ数年で量産体制が取られるようになり、結構出回るようになった。それまでは、羊皮紙が中心だったわけで筆記具はかなり貴重だったわけだ。


 「お待たせしました。ウォレス戦闘教官は、帝都外の戦闘訓練を終えて、昨日からこちらに戻られています」

 「じゃあ、室内訓練所に行けばいるかな。ありがとう」

 「いいえ、お気になさらず。仕事ですから!」


 俺は、礼を言うと少し準備をしてから、ウォレスがいると思われるギルドの奥にある室内訓練所へ足を運ぶ。


 室内訓練所か……久しぶりに、本格的に体を動かすかな


 そう思いながら。






 「なんじゃ、こりゃあ」


 死屍累々


 室内訓練所に着いた俺は、目の前に広がる光景にその言葉を思い浮かべた。

 一人の大男を除き、何十人もの探検家達が倒れ込んでいたからだ。

 息をして、呻き声を上げているから生きているようだが、全員一様に身動きがとれていない。何割かは声すら出ていない。恐らく気絶してるのだろう。


 「お前ら、よく頑張った!今日はここまで!」

 「よく頑張った!じゃないわ。もうすこし手加減しなさい。皆動けてないじゃない」

 「そんなことを言う君だって、だいぶ張り切っていたようだけれど?」

 「貴方だってそうでしょ?引退したとは思えないわ」

 「はは、だいぶ無理をしたよ。もう体がビキビキだよ」


 大男がその獅子のような容貌通りの大声を張り上げると、奥からローブを身に纏った女と、何処からともなく軽装の細身の男が大男の方へ近づいていく。


 「二人とも、今日は助かった。俺だけだと様々な展開での対処を求めた戦闘訓練が出来ないからな」

 「そうは言っても、こんな絶望的な状況なんて殆どないでしょう?」

 「そうか?センセイの仕事を受けていたときはしょっちゅうだった気がするが」

 「あれを基準に考えてはいけないよ。あれが普通だったら、殆どの探検家は仕事にならなくなるよ」

 「確かにそうね。でも、あれに対処できる戦闘訓練と考えると、乗り越えられたら殆どの戦闘はこなせるようになるわ。乗り越えられたら、の話だけれど」


 大男は、センセイの仕事の時の基準で戦闘訓練を行っていたらしい。それに対して残りの二人は疑問を抱いているようだ。


 おれも、二人同様そう思う。というか、それは、戦闘訓練になってるのか?どちらかと言うと生き残りをかける訓練だと思うぞ。

 そう思いながら俺は、見知った3人に声をかける。


 「よう、久しぶりだな、お前ら。弱いものいじめもほどほどにしておけよ」

 「「「……リーダー!?」」」


 ウォレス、リリー、シンの3人が俺を見て驚きの声をあげたのだった






 「リーダー、いつから帝都に?」

 「ついさっきだ。お前らは何で一緒なんだ?」


 戦闘訓練と言う名の生命の危機を終えた探検家達が、少しずつ動き出せるようになった頃、俺たちは訓練所の端にあるベンチと地面に腰かけて話をしている。

 ベンチにはリリーとシン。地面は俺とウォレスだ。


 「ウォレスが行った、帝都外の戦闘訓練をする場所の近くの町に僕がちょうど出かけていてね。その話を聞いて、ギルドを通して合流したんだ」

 「私は、ちょうどギルドに採取依頼を頼んでいたところを、ウォレスに捕まったの。訓練の手伝いをしてくれって」

 「なるほど。偶然が重なったのか」


 何というか、俺にとっては都合が良すぎる展開だな。

 苦笑を浮かべる俺に不審な顔を浮かべ、リリーは話し掛けてきた。


 「リーダーとアリッサは、センセイのところ?」

 「そうだ。それで、頼みがあって来た」

 「頼み?」


 俺の言葉に3人は首を傾げる。

 俺は、ちょうどよかったので3人に今回の用件を話す。


 「誰か、信用の出来るやつを紹介してくれ。条件は、秘密を守れるやつだ」

 「センセイ絡み……と言うことは森の家の事ですか?」

 「そうそう、調査はできたの?あそこ」


 俺の言葉にシンが眉を潜め、リリーは興味津々だ。


 「ああ、その通りだ。結論からいうと、あそこの家は錬金術の開祖である森の民の家兼、工房だ。そこで、センセイは開祖の子孫と一緒に過ごしている」

 「…………は?」

 「…………話が突拍子すぎてよくわからん」


 俺の言葉に、リリーとウォレスが理解不能といった反応を見せる。そりゃそうだ。俺だって、いきなり言われればそう思う。


 「それで、何でメンバーが必要なんですか?普通に過ごしている分にはあの煙の効果で安全の筈では?」

 「あぁ、そうなんだけど、今センセイ達は、訳有って皆でセンセイの家がある集落にいるんだが………………」

 「リーダー!森の民を集落に連れていってるの!?」


 俺の言葉にリリーが食いつく


 「森の民の公用語は古代精霊語でしょ?百歩譲ってセンセイが一緒に暮らしてるのは、会話できるし何よりセンセイだから理解できるとして、何で連れてきているの?」

 「それは、意思疏通の魔法が使える妖精が…………」

 「意思疏通の魔法ですって!?なんなのよ、それは!」

 「森の民だけではなくて妖精も、ですか…………」

 「なにがなんだかわからん」


 俺は3人、特にリリーの質問攻めに合いながら今までの説明をすることになった。






 「という訳で、嬢ちゃん達の集落の連中を探しに深部に向かおうと思うんだ」

 「それで、俺たちにメンバーを紹介してほしい。と」


 ウォレスの言葉に俺は頷く。


 リリーは、今までの魔法の常識が根本から崩されてショックで固まっている。

 まぁ、俺たちからすると元々誰でも魔法は使えるとか、全てのものに魔力があるとか、魔法陣や詠唱は適当で構わないとか、ぶっちゃけ最終的な形さえきちんと構築と維持できれば、何とかなるとか言われれば、今まで真剣に研究してきた身分としては、そうもなるわな。


 「秘密を守れる、信用できる。というのはサーシャちゃんとデルク君でしたっけ?彼等森の民やパットンという妖精。さらにはこれから出会うであろう様々な種族に対して偏見を持っていない、他の人間に口外することがない。と言うことですよね」

 「そういうことだ。探検家のランクとかは気にしてない。ただ、ウォレスの戦闘訓練を経験したやつで、ウォレスが信用できそうなやつがほしい」


 欲を言えば、こいつらに来てほしいんだが、こいつらも今は居場所がある。そこまでのことは言えない。


 「口を割らないだろうと言う、信用が出来るやつならそこに3人いる。連れてくるから待っててくれ」


 ウォレスはそう言うと、訓練を終えた探検家達の中へ入っていった。


 「リーダー、すまない。僕はそちらの方では力になれなさそうだ」

 「気にするな、元々ウォレスに声をかけるだけの予定だったからな」

 「代わりと言ってはなんだけど、森の民の集落に心当たりと言うかがある」

 「本当か!?」


 シンの言葉に俺は驚く。何でシンがそんな情報をもっているんだ?


 「心当たり、と言うよりも目撃情報と言うかだよ。最後の依頼、覚えているよね」

 「あぁ。」

 「あの時僕が油断したのは、ちょうど僕の視界の先で綺麗な女性を見つけたからなんだ」

 「なんだそりゃ?そんな理由だったのか?」

 「いや、普段はそれくらいじゃ動揺しないよ。でも、翡翠色の髪の毛の人間なんて今まで見たことがない。気のせいか確認しようとそちらに集中してしまって、それで、周囲の警戒が疎かになったのさ」


 その油断でシンは熊の魔獣の発見が遅れてあの出来事が起きたと言うわけだ。


 「どんな理由があっても、命の危険と隣り合わせの大森林の深部で、致命的なミスをおかしたのは確かだ。だから、僕は引退を決意したんだ。でも、あれが見間違いだったのかなんなのかは、ずっと気になっていた」


 シンは話を続ける。もし気のせいであったなら、悔やんでも悔やみきれないしな。気持ちはわかる。


 「僕が見かけたのがデルク君達が探してる集落の森の民かはわからない。でも、僕はあの場所で森の民と思う何かを見たのは確かだと、そう思いたい」

 「ああ、わかった。ありがとう。捜索の手懸かりが掴めただけで、とても助かる。必ず役立てるからな」

 「ありがとう、リーダー」


 シンはそう言って、穏やかに笑った。





 

 「リーダー、いいか?」


 シンとの会話が一段落した後、ウォレスが4人の男を連れてきた。

 一人目はウォレスを一回り小さくした大男。人の良さそうな笑顔を浮かべて好感触だ。なかなか期待できそうな男だ。

 二人目は、ウォレスと同様の大男。ウォレスのようにいい戦力になるだろうな。こいつもガタイ通りの豪快な笑顔だ。

 三人目は、まだ新人なんだろう。ガチガチに緊張している体がまだ出来上がってない若者だ。顔も強張っている。

 四人目は、シンのような優男風の細身の男。礼儀正しそうで人当たりも良さそうだ。身のこなしから、それなりの実力が見える。即戦力だな。


 「こいつらが、リーダーが言ってた条件に当てはまる4人だ」

 「3人じゃなかったか?」

 「そのつもりだったんだが、面白いのが一人いたからそっちも連れてきた」

 「わかった」


 俺はそうウォレスに答えると、目の前に立っている4人に顔を向ける。


 「俺の名前はダンだ。これから、俺のチームのメンバーを決めようと思って、ウォレスにお前らを紹介してもらった」

 「はい!アーサーです!」

 「おう!ドランでさぁ!」

 「は、はひぃ!い、いえ、ハーヴィーです」

 「光栄です。ホランドと申します」


 全員俺の言葉に返事を返す。はひぃ!ってなんだ。緊張しすぎだろ


 「ただ、新しいメンバーは四人も要らないんだ。一人か……二人に絞らせてもらう。幾つか質問をするから答えてくれ」


 俺の言葉に四人とも頷く。はひぃ!君は首を振りすぎだよ。


 「俺のことは知ってるか?」

 「知ってます!」

 「当然。生きる伝説だぜ」

 「そ、尊敬してます!」

 「申し訳ございません。詳しいことまでは……」


 優男の言葉に、残りの三人は信じられないものを見る目で優男を見る。

 まぁ。それはいい。


 「いま、ウォレスが訓練しているのは、俺達が戦ってきた基準を最低限生き延びるための訓練だ。つまり、俺と共に来ればああいう戦闘が増えるってことだ」


 俺の言葉に体を強張らせる3人。ガタイのいい男…ドランだっけか…は、心なしか嬉しそうだ。こいつ、ウォレスと同じかそれ以上の戦闘バカか?


 「それに付き合う覚悟はあるか?」

 「はい!がんばります!」

 「望ましいねぇ」

 「足を引っ張らないようにがんばります!」

 「覚悟はできています」


 一番目の男、アーサーが少々ビビってるか…………。

 予想外なのは、はひぃ!君が言葉とは裏腹に腹を括ってるってことだ。


 「じゃあ次だ、俺たちはかなり特殊な活動をしている。秘密を守らないといけない事が多い。一生を楽に暮らせるだけの金を」


 と言って、目の前の連中に本部に預けてあったのを引き出て用意してきた金貨の入った袋を取り出す。


 「用意されて、秘密は守れるか?」

 「はい!まもれます!」

 「金なんか飯が食える分だけあればいいさ。あとは邪魔だ」

 「ダンさんの言葉なら死んでも守りきります!」

 「なんの問題もないね」


 …………二番の奴以外全員一瞬揺らいだか?だが、欲にまみれた目を向けた奴はいない。どちらかというと、目の前の金貨に驚いた感じか…………。とりあえず、ドランは脳筋だ。デルクに続いてウォレス枠はなぁ…………。


 「次だ。さっきの話と同様だ。俺のチームは、実際は個人の学者様の専属になる形だ。だから、普通に探検家としてクラスアップの評価を受けづらくなる。それでも良いか?」


 「はい、問題ありません。目標とする方々の仕事ぶりを隣で勉強させていただくいい機会です」

 「あー、俺は今Eクラスで、現状のランクに満足してるから、飯と時々酒が飲めればそれで良いぜ。あぁ、ちゃんと節度はもって飲むから安心してくれ」

 「あ……ずっと専属でクラス上げできないのは……少しきついです……まだ、新人なので……」

 「…クラス上げのための休暇などはいただけますか?」

 

 アーサーはランクに対して余り気にしていないようだ。ドランは、中堅のEクラスか。それなら満足するやつもいるな。

 代わりにさっきまで気合い十分だったハーヴィーが意気消沈し、ホランドが不安そうに尋ねてくる……か。まぁ、探検家から成り上がろうと思ったら完全に足踏みするからな。


 「今回の仕事は大森林の捜索だから、作った地図や調査報告などの功績はそっちに全部渡してやる。ギルドの依頼を通してじゃないから、功績として劣るけど、補填くらいにはなるはずだ。それでいいか?」


 大森林内の地図は、まだまだ精度が悪い。中に入ってきっちり調査できる程の実力者がなかなかいないからだ。だから、俺達が深部の調査を行ったわけだ。


 俺の言葉にハーヴィーとホランドが安心したように頷く。


 「最後の質問だ」


 これが今回の本題だ


 「先ほども言った通り、俺達は大森林の捜索にこの後向かう。もしかしたら亜人や妖精に会う可能性もある。おそらく言葉が通じないであろう、その連中にお前達はどう対処すれば良いと思う?」

 「……人間としてあるべき態度を取りたいと思います」

 「問答無用で襲ってくるなら敵だ。ぶっ殺す。そうじゃなきゃなんもしねぇ」

 「……僕は獣人の血が入ってます……だから、出来るだけ穏便に…………」

 「……人として、冷静に対処したいと思います」

 「………………わかった皆、ありがとう戻ってくれ」


 俺がそう言うと四人は訓練所の片付けに戻っていく。


 「決まったのか、リーダー」


 四人を見送る俺にウォレスが声をかける。


 「あぁ、後でウォレスの方から伝えてもらえるか」

 「わかった」


 さて、用件もすんだし、少し私用を頼むとするか







 俺はウォレスを見て、ついでの頼み事をする。


 「ウォレス、久しぶりに模擬戦闘に付き合ってくれ」


 ウォレスは、俺の問いかけにニヤっと笑って応えた。






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