1/15
1・・カナが生き返った。
最近カナが生き返った。
生き返ったカナは意地悪だ。
私の耳元で毎日のように囁く。。。
「死ね・・死ねばいいのに・・・」
カナの声を子守唄にする日課が始まった。
私がカナと出会ったのは16歳の春だった。
生まれて二回目
お雛様の段飾りを見た日だった。
それは めぐみの部屋に飾られており
女の子らしく整えられた その部屋自体が
お姫様を連想させられ とても衝撃的で
あの日以来 一人部屋に憧れるようになってしまった。
そんな日だったのでカナとの出会いの日を正確に覚えている。
カナとの出会いは不思議なものだった。
カナが どこから来たのか。
それは今でも解らない。
気がついたときには いつもカナは私のそばにいた。
私がカナを必要とするときには 必ず居るのである。
カナとの付き合いは それから 24歳まで続いた。
カナはあの日 確かに死んだ。
それは間違いがない。
いや・・・カナは死んだ振りをして機会を窺っていたのか〜!?
あれから20年経ってカナは生き返ってしまった。
もう会うことは無いと思っていたのに
カナは 何をするつもりなのだろう・・・・!?