認識と被認識
魔術は「認識する力」とも言われる。その名の通り、魔術は認識という行為が非常に重要となる。
第一に自己認識。自我が曖昧な状態であると、魔術の発動そのものに支障をきたす。忘我状態であったり、心神喪失状態、精神病などの状態であると、魔術の発動及び統御は非常に困難とされる。そもそも魔術の発動は、イメージで言うと、自分とアカシックレコードをつないでいる何かを媒介としている。精神が不安定で自己認識が曖昧な状態であると、媒介への接続が困難になるため魔術の発動が難しくなるのである。
第二に魔術認識。発動する魔術をきちんと理解しておくことが魔術の威力に関わる。
第三に自力認識。自己認識と似ているが、これは自らに力があると認識すること。魔術は術者の精神状態に影響されるため、自信を持って魔術を使用することが大切である。
また言霊魔術を始めとする一部の魔術は一般の魔術とは対照的に「認識される力」と言われる。文字通り、対象の人間が存在する場合、その対照の人間の認識次第で魔術の威力が変わる。詳しくは言霊魔術の項で述べるが、簡単な例を挙げると、相手が術に恐怖をいだけばいだくほど術の威力が上がるといった具合である。有声詠唱をもちいた魔術の場合は、言語が相手に通じないと「認識され」にくい。