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魔法と魔術と超能力
魔術の世界では、いわゆる「超能力」も魔術の一種として扱う。
超能力は大きく二つに分けられ、「魔眼」などに近い「魔術的特異体質」と、魔術的には説明の付かない(科学の世界でも同様)ものを特別に「特殊体質的魔術現象」と呼んでいる。
現代の「協会」の研究機関に所属する魔術師、アリサ・エーリーは、超能力を魔術、魔法と比較し、それぞれ以下のように定義した。
魔術…必然を引き起こすすべ
魔法…奇跡を引き起こすすべ
超能力…偶然を操るすべ
彼女は超能力(とくに、特殊体質的魔術現象)は偶然を操るものであると主張し、現象そのものが必然的に引き起こされた偶然であるとした。その実態は偶然であるからして、必然を引き起こす術である魔術の分野からアプローチしていては解明は永久に不可能であるとした。さらに、彼女は偶然の研究に力を入れていたため、その方面からアプローチをはじめたと発表した。しかし、発表から十年ほど経つ現在でも、その研究は実を結んでいないらしい。




