未来を知る能力
魔術には様々な手段によって未来を知る、いわゆる未来視を行使する。
未来「視」とあるが、あくまで総称であり、実際に視覚的情報として未来の情報を得るだけでなく、概念、言葉、音など、いかなる手段を用いたとしても、基本的には未来視と呼ぶ。
まず、大きく「魔術」による未来視と、「魔術的特異体質」による超能力的な未来視がある。
さらに、その未来視も細かく「予知」「予見」の二種類に分かれている。まずはその「予知・予見」について説明する。
◆未来視-予知能力
未来視の中でもとくに優れたものとされるのが、予知と呼ばれるものである。予知は簡単にいえば、「ほぼ確定された未来」または「これから起こりうる一つの可能性の未来」を現在において知る術(能力)であり、特A級の魔術とされる。いずれのパターンにせよ、多くはミラータイプの特殊魔術である。そもそもパトルオロビオスに貯えられている情報は時間という概念に対して、不規則に並んでいる。つまり、未来の出来事もすでに貯えられているのである。ただし、基本的に確定された未来というものは存在せず、同時にそれは現在を確定する要素は、物質界に委ねられているということになる。すなわち、未来を知り、未来を回避、改編することも可能である。
◆未来視-予見能力
「予見」は未来視の中でも予知能力より精度のないものとされている。予見は「これから起こるかもしれない一つの可能性の未来」のみを計算する術(能力)であり、魔術的な階級は低い。多くはリバータイプの簡易な魔術である。予知能力がそのイメージのとおり未来を直接見る能力であることに対し、予見能力は「現在」の様々な情報を切り取り、そこから導き出される起こるかもしれない未来を算出する。つまり、厳密には未来を見ているわけではないため、精度が予知能力よりだいぶ落ちる。
■魔術による未来視
魔術による未来視の場合、予知能力と予見能力では術式がまったく違う。前者は比較的複雑な回路が必要になるが、後者はリバータイプであることから簡易魔術として単純化されることが多い。
■魔術的特異体質による未来視
魔術的特異体質による未来視の場合、予知能力と予見能力の間に差異は少ない。そもそも魔術的特異体質の未来視は、予知なのか予見なのか区別をつけることが難しく、協会による魔術分類の中でも分類はなされておらず、ひとくくりに扱われる。
魔術的特異体質による未来視の例として「予知夢」などがあげられる。




