魔術の三大要素①「魔力」
既に他の項でも述べているように、魔力とは魔術および魔法発動に不可欠なエネルギーであり、通常人間の目には見えないエーテル体である。
元は「神秘なる力」「自然の秘力」などの形で存在していて、魔力という言葉が使われるようになってからは、それらにとってかわり魔力が存在を開始した。いずれにしても、それらの力はもともとこの世に存在しないものである。しかし、偶像崇拝的な意味で多人数による擬似認識を経て、この世に存在を開始した。非現実性世界歪曲(詳しくは別項にて)と呼ばれるこの現象は、「それ」を認識する人間が一定量を超えたことにより、認識が世界に影響を及ぼす現象である。
魔力には大きく二つに分けることができる。
「超自然的魔力」と「人為的魔力」である。
「マナ」は自然に存在する、いわば大気のような存在である。地球上のみならず人間の認識可能な世界に満ち満ちており、絶えず流動をしている。増えることも減ることもなく、常に一定量が保たれている。人間はこの「マナ」の一部を統御することによって、魔術の発動に魔力として利用することができる。
「オド」は人間の保有する魔力である。人間は生きている限り、魔力を生産することができる。これは意図的なものではなく、自然に生産されるものであり、当人の体調や体質などに左右される。個人の保有できる魔力には上限が存在し、個人差がある。また、生産力にも個人差がある。基本的に、オドが尽きることは理論上ありえないとされているが、限りなくゼロに近い状況になった際、その人間は一時的に仮死状態となることが報告されており、この状況においては外部からの魔力供給を行わない限り、死んでしまう。このことから、「オド」の生産にはある程度の保有魔力が必要であると推測されている。つまり魔力を用いて魔力を生産するのである。
通常、魔術師は「オド」の生産力が高く、保有容量が大きい。一般人も魔術師同様「オド」を生産しているが、その量は微々たるものであり、魔術の発動は難しい。