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-始原の書- 【うちの魔術設定】  作者: マナ'
第二章 「協会」
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治癒魔術

 治癒魔術とは、肉体的・精神的な傷を癒やす魔術の総称である。この項ではとくに肉体的な傷を癒やす治癒魔術について説明する。


 治癒魔術は大きく三種類に分けられ、それぞれ効力が微妙に異なる。

①代謝向上 

 被術者の代謝や自然治癒力など人間本来の治癒能力を相対的に向上させ、治癒を促すもの。治癒には時間が掛かるが、魔力の使用も少なく、また被術者への負担も少ない。術者=被術者であることも可能であり、被術者が魔術師、または魔力の運用の心得がある場合威力・効率が上がる。


②代替治癒 

 傷などを負った場合に魔術を持って、その傷を塞ぐこと。他の物質を変換したり、方向性の薄いエーテルを概念固定して、被術者の肉体の一部とする。大きな傷もこれで治癒することができるが使用魔力、被術者への負担ともに大きい。


③情報治癒

 被術者の身体的情報へ直接関与して、傷を治癒する究極の治癒魔術。ただし被術者は魔術師でないものに限られる。魔力使用量が膨大であるが被術者の負担は0に等しい。ただしこの魔術を扱えるものは限られており、無理魔術(原理解明されていない魔術)の一つである。この魔術は被術者の創部について、傷を負う以前の状態を復元する魔術である。



これらの治癒魔術は傷の種類などにより効き目が違う。 例えば物理的な攻撃などによる傷であれば、術の治癒魔術が有効である。(ただし致命傷の場合は①ではきついときがある。ただし、死までの時間は伸ばせる可能性があるため、助かる見込みが大きくなる)

次に、物理的な攻撃であっても、なんらかの魔術的な要素が含まれている場合、②③がうまく動作しない場合がある。とくに②は、傷に魔術痕跡が残っている場合、運が悪ければ残留魔力と治癒魔術の魔力が相互干渉しあうことがある。

次に、物理的実態のない魔術的な攻撃の場合。傷が外傷内傷とわず、現実的に治癒可能な範囲であれば、①③が有効である。②は先程の理由から運用が難しい。

 最後に、呪術に関する対処。攻撃に何らかの呪術的要素が含まれ、それに傷の治癒を阻害する効果が含まれている場合、いかなる治癒魔術も無効となる。ただし、③に関しては完全治癒は不可能にしても、ある程度の回復が可能である。

 呪術的な傷は治癒魔術でなく、精神系統の魔術で癒やす。呪術が直接身体に影響を及ぼす魔術でなく、精神に影響を及ぼし、間接的に身体へ影響が及んでいるためである。


(精神系統の治癒魔術や呪術については別項にて)

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