白魔術と黒魔術
一般によく知られている魔術分類として、「白魔術」と「黒魔術」というものがある。ここでは魔術世界におけるそれらの分類について書く。
白魔術と黒魔術という表現が使われるようになったのは最近になってからであり、十八世紀後半から十九世紀くらいに生まれたとされる。
一般に、白魔術は人のためとなる良い魔術、黒魔術は人に害を与える悪い魔術と認識される。
古く、魔術が生まれたとき、今上げた認識に合わせるとしたら、すべての魔術は白魔術であった。しかし、呪術というものが生まれ、人に害を与える魔術として扱われた。ただしいかなる魔術であっても、白黒つけることは難しく、どちらにでもなりうる存在である。そのため、魔術世界で白魔術・黒魔術という表現が使われる際は、既に発動された魔術に対して使われることが多い。
しかし、一部の魔術――特に協会により禁術に指定されている術の中には、「邪悪な魔術である」ということを理由に、すなわち完全な「黒」の魔術として存在する術がある。それらの魔術は「闇魔術」とも呼ばれる。(これは日本語上の表記であり、黒魔術もダークマジック、つまり闇魔術と呼ばれることがある)。




