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-始原の書- 【うちの魔術設定】  作者: マナ'
第零章―魔術とは
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魔術とは (魔術についての概要)

 魔術とは世界という回路(ルール)に意図的に接続(コネクト)し、結果として得られた情報(パトル)を現実世界にエーテル体の力を用い具現する術である。ここでいう世界とはすなわちパトルオロビオス(アカシックレコード)と呼ばれる情報(パトル)の集合体であり、我々の住む空間および、その空間に存在するすべてのもの、事象、概念の元となるものを情報(パトル)と呼ぶ。ここ以降で世界という単語を使う場合、それはあくまで我々の住む空間を概念的に表す言葉とする。また語句の説明はその都度注訳をつける。


 魔術を使う者、即ち魔術師は魔術回路(一般に回路と呼ばれる)と呼ばれるパトルオロビオスに接続する手段を会得している。それは人によって異なり、一般的なのは口語による呪文詠唱と筆記による描陣(注1)である。これを古式描陣回路といい、最も古くから存在する魔術回路であるとともに、最も複雑な設定が可能となる確実性の高いものである。ただし、呪文詠唱は他の魔術回路に比べると長めで描陣を伴うため時間がかかった。そこで生まれたのが新式と呼ばれる、詠唱文を短くし、描陣を最小限にとどめた新しいものである。また、これは進化し現在は簡易詠唱(インスタンス)(注2)、エアペイント(注3)など様々な魔術回路が考案されている。魔術師はこのような魔術回路を用いてパトルオロビオスに接続し、任意の結果を得ることができる。それがすなわち魔術である。


 魔術を使う際には一般に魔力と呼ばれるエーテル体をその必要エネルギーとして利用する。魔力には二種類あり、人間に宿る人為的魔力(オド)と世界を満たし大気のように流動している超自然的魔力(マナ)が存在する。魔術によって必要な魔力は異なる。魔力とはもともとこの世界に存在したものではない。古来から多くの人間が神秘的な力として擬似認識し続けてきた結果、現実のほうが歪められた現象の例である(注4)。世界に存在するマナの量は常に一定で増えることも減ることもないが、オドは人間が生きている限りいくらでも生産可能であるかわりに、魔術に利用するとパトルオロビオスへ流れこんでしまい、消滅してしまう。


 魔術を使う人間のことを魔術師という。魔術師は世界中に存在するが、西洋の方に多いとされる。またヨーロッパには魔術研究機関である、通称「協会」が存在する。ここには数多くの魔術師が加入し、魔術の研究を進めると共に、協会自体が魔術師の統制を行なっている。ちなみに、魔術を使う人間のことを魔術師、魔術を発動している人間のことを術者と呼び、区別することがある。


 今となってはすべてひとくくりに魔術(Magic)、と呼ぶことが多いが実際のところは国や宗教によって様々な名があった。例を挙げると、占星術、呪術、陰陽道なども魔術の一種である。


 また、魔術の中でも特に、人間の扱える範囲を超えた魔術のことを魔法と呼ぶ。人間に扱える範囲を超えたとはいえ、使うのは基本的に人間である。ただし、扱うのには常人離れした才能が必要となる。こればかりは努力ではなんともならないとの結論が既にでている。魔法を扱えるものは世界でも数えるほどしかいない。魔法の仕組みはほぼ魔術と同じであるが、魔術よりもさらに複雑な接続手順を踏むことになる。それは人それぞれのものとなるので一概には言えない。ただし、普通の人間に用意された道でない場所を通っていると想像してもらえればそれが近い。魔術や魔法という言葉は日本における使い分けであるのは言うまでもないが、英語圏において魔術は「マジック(magic)」「ソーサリー(Sorcery)」、魔法は「ミラック(mirack)」「ノーウェイ(noway)」「ハイスペル(high-spell)」などと呼ばれている。魔法の英訳である「ミラック」はミラクルとマジックからの造語であり、最近の若い魔術師が好んで使う新しい表現である。また「ノーウェイ」と「ハイスペル」は昔からある呼び名であり、「エンプティスペル(empty-spell)」という表現も隠語として使用される。しかしながら、「ハイスペル」は単に高等魔術(注5)という意味でも使われるため混同されがちである。



注1:魔法陣を描くこと。描く場所や道具は何でも構わない(回路によっては適切なものがある場合もある)。

注2:詠唱文の内、必要最低限の要素のみを詠唱する魔術のこと(例:一単語のみの詠唱)。

注3:呪文詠唱をせず、また魔法陣を描かずに頭の中で回路を組み上げること。

注4:非現実性世界歪曲。実際に存在しないものでも、擬似認識する人間が一定量を超えると現実のほうが歪められること。

注5:魔術の中でもより高度な技術を必要とする魔術のこと。

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