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夏服と義妹
桜花は夏服がよく似合う、と瑛子は白いワンピースをひらひらさせ、麦わら帽子から愛らしい笑顔を覗かせる義妹を見て思った。
「おねぇさま、私は夏服が好きですわ」
「ええっ、うあ……心の中を読んだ?」
桜花は不思議そうに首を傾げた。
「私の心はおねぇさまのものですわよ」
「んん……あ、ありがとう。 なんで夏服が好きなのかな?」
「それはですわねぇ……」
頬を緩ませて、桜花は瑛子の背後にまわると、うっとり呟く。
「ああ、おねぇさまの白い二の腕、うっすらと汗ばむシャツ、透ける下着……」
「桜花さん!? 桜花さんー!」
「うふふふ、おねぇさま」
「ひょえーっ……も、もう! あ、アイスクリームでも食べようか?」
邪な笑みを浮かべていた桜花は、にぱーっと笑って頷いた。
アイスクリームを片手に、桜花は瑛子の手を引く。本当に、こうしていれば可愛らしい義妹なのだかと瑛子は項垂れづにはいられなかった。




