理不尽な死と―
男と女の笑い声。そして何かを殴る音が響く。
その何かとは私だ。そして男女は私の両親だ。
彼らは躾で殴っているのではない。私は彼らの快楽を得るための道具にされているのだ。
いつもの通り声を出さず終わるのを待つだけ。
男女は急に無表情になる。
「つまらないわ」
「ああ。つまんねぇ」
そう言いつつも殴るのはやめない。
「全然声を出さないじゃない」
「もういい。拳銃、つかってみるか」
!?
「いいわねぇ…!これでコイツも泣き叫ぶわ!」
「最っ高に楽しい声を聞かせてくれぇ!!」
パンッパンッ
「……ッ」
左の肩と太股を打ち抜かれる。
でも声は出さない。いつも通り早く終わるのを待つだけ。
男は乾いた笑みを貼り付け、床に転がる妹を見る。
「っへ!そうかよ。じゃあ妹ちゃんを使わせてもらうぜぇ!」
「…ダメ!」
「るせぇ!!」
乾いた音とともに何かがちぎれる音がする。
「ヤベ!!殺っちまった!!」
「ちょっと!死んだら使えないじゃない!!」
呼吸が出来ない。痛い。苦しい。痛い。苦しい。
「ケーサツだ!!武器を捨てろ!!」
「ッチ!!」
~魔界~
深紅の長い髪の女性。
歴代最強の魔王、禍(まがつ)である。
傍らには狐耳の女性。
今、彼女らの前には、禍の魔力によって生み出された巨大な魔力の歪みがあった。
「……生まれるぞ」
やがて、それは一糸纏わぬ少女の姿となって―――――
顕現した。
読んでくれてありがとうございます。
皆様の心を温める小説にしていきたいです。
ちょくちょく更新するのでチェックしてください。
次回
理不尽で悲しい人生が終わった。
魔界で彼女は…