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新婚ごっこ  作者: ててふ
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第一話

 俺の名前は春原叶(すのはらかなう)。高校一年生だ。成績普通、スポーツ普通、顔普通。全てが普通の俺だが、人には言えない普通とはかけ離れた秘密がある。それは、、、

「おかえりなさい。かな君!」

「た、ただいま。雫」

家に帰ると可愛い新妻がいることだ。彼女の名前は星宮雫(ほしみやしずく)。俺と同じ高校に通う一年生。本来、俺とは関わることがないような人物だ。()()()()。この言葉の意味がここまで一致する人に彼女以外で俺は見たことない。高校は首席で入学、運動神経も抜群、顔や性格は誰から見ても完璧なくらい良いため、一年生ながら、学校の生徒全員から慕われてる。

 そんな彼女となぜ一緒に暮らしているのか。それは一週間前、高校の入学式の夕方まで遡る。


 「ふぅーなんとか片付いた。今日から高校生で念願の一人暮らしか。三年間思いっ切り楽しむぞ」と、意気込んでいると父さんから急に電話がかかってきた。

「もしもし、父さんどうしたの?」

「今日から高校生だろ?入学おめでとう。叶、お前に言っておくべきことがある」

「ありがとう。それでどうしたんだよ。そんなに改まって」

「今日、叶に女の子が嫁ぎに来る。急な話で申し訳ないんだが、せいぜい頑張ってくれ」

「はあ?ちょ、どういうことだよ」と言った頃には、もう電話が切れていた。「女の子が嫁ぎに来るってどういうことだよ」と思っていたその時ピンポンとチャイムがなった。

「はーい」と言い俺は玄関のドアを開けた。なんと目の前にいるのは同じクラスなった星宮雫だった。

「ほ、星宮?なんでここに?」

「あ、もう名前覚えてくれてたんだ。私がここに来た理由はね、春原叶くんのお嫁さんになりにきたの」

「上がっていいかな?」

「え、あ、はい。ど、どうぞ」

一体何が起こっているんだ。父さんの言っていた女の子は星宮であっているのか?いやそもそも、俺と星宮は今日初めてあったばっかだぞ。話したのだって今が初だ。まあとりあえず星宮から色々事情を聞いてみるしかない。

「あのさ、星宮。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「どうしたの?かな君」

「か、かな君?」

かな君ってなんだ?距離の詰め方早いな。そんなことより可愛すぎるだろ。なんだあの生き物は。これが女子高生か。控えめに言って天使すぎる。

「うん!叶だからかな君だめだった?」

「いや、だめじゃないけど、、、」

むしろ俺のほうからお願いしたいくらいには大歓迎です。

「やったー!ところでかな君、それで聞きたいことって?」

「あ、そのことなんだけど、もしかして星宮が父さんが言っていた女の子?」

「うん、そうだよ。さっき言ったけど、私はかな君のお嫁さんになるために嫁ぎにきたの」

「ど、どうして俺?」

「それはね、私がかな君のこと好きだからだよ」

「えっ」

どういうことだ。嬉しい。だが俺と星宮には一切関わりがなかったはずだ。それで好きっていうのは一体?もしかして星宮は自分の意志とは関係なく父さんが無理言って仕方なく嫁ぎにきているだけなのでは?なるほど理解した。でないと星宮みたいな可愛い子が関わりのない俺のこと好きっていうはずがない。ここは、星宮のためにも丁寧にお断りしてこの話はなかったことにしてもらおう。ってか星宮さんちょっと顔が近くないですか。

「おーいどうしたの?かな君。さっきからずっと黙り込んで。もしかしてしんどいの?」といい星宮は自分のおでこと俺のおでこをくっつけて熱を測ってきた。俺の顔がどんどん赤くなってどきどきしているのが分かる。これはやばい。もうなんか可愛い以外の感情がでてこない。

「熱はないみたいだね。他にどこかしんどいところはない?」

「だ、大丈夫。平気。ちょっと考え事をしていただけ」そう言い俺は星宮から離れた。星宮は不思議そうにこちらを見ている。その顔もとても可愛い。もう星宮が俺のお嫁さんなってもいいのでは?可愛いし俺のこと好きっていってくれてるし。いやだめだ。このままでは星宮はいやいや俺と結婚することになる。それはあまりにも星宮が可哀想だ。仕方がない、ここは一つ踏み込んだことを聞いてみるか。

「星宮は、俺のどこが好きなんだ?」

「えっ、急にどうしたの?」

「いや、俺と星宮は今まで関わったことがなかったはずだ」

「もし星宮がいやいや来ているなら俺のほうから父さん断っとくよ」

これで良かったんだ。そもそも俺と星宮では全く釣り合ってもいないし。でも、もったいないことをしてしまったかな。まあ仕方がないか。

「じゃあさ、私がかな君のことが好きって証明するために一つ遊びをしようよ!」

「遊びって?」

()()()()()というのはどう?私が新妻でかな君が新夫のおままごとみたいな」

「なぜに新婚?」

「まだお互いに知らない事ばっかりだから、色々知ってもらうためにね」

新婚ごっこというのには、ビックリしたがこれは、星宮に本当のことを聞けるチャンスだ。

「俺も星宮とは仲良くなりたかったからさ、その提案に賛成だよ」

「それじゃあ早速なんだけど、星宮じゃなくて雫って呼んでほしいな」

「新婚なのに、苗字呼びはしないでしょ?」

「うぐっ。わ、分かったよ。雫」

女の子を名前呼びするのって結構恥ずかしいな。

「でも学校では秘密だからな。色々と噂されたらめんどくさいからな」

「はーい!かな君」

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