冬ロケット
輝く雲の清しさに
ひとはポカンとみあげてる、
はるかに広がる蒼穹が
この地が星だと告げている。
烏も飛ばない冬の街。
ましろな雪はまだ残る、
歩道のはしや屋根のうえ、
悲しみよりも清らかに
風がかよわく吹くだけで
積もった雪は宙に舞う
きらめきだけが目に映る
死にゆく雪がそっと舞う
なにも云わない世界の影が
雪の在処となる真昼
神の住処を問う真昼
空を流れる美しい雲。
夢、懐かしい、懐かしい
すべてが其処に還るのか
輝く雲の清しさに
ひとはポカンとみあげてる、
はるかに広がる蒼穹が
この地が星だと告げている。
烏も飛ばない冬の街。
ロケットだけが目に映る。