鮮血の放物線
血はきれいに放物線を描いていた。
「一刀のもとに、やったようだな」
警察がそれを見ている。
誰がしたかということは、わからないようだ。
もっともみたいのは、その放物線の下の死体だろう。
文字通り、首の頸動脈をしっかりと切られている。
「何でしょうか、刀か包丁みたいな、鋭利なもので切られているようですが……」
警察の一人が、死体のそばにしゃがんで、できるだけ膝をつかないようにしながら同僚へと話す。
「そうだな、そのあたりは検視で判明するだろう。まずは、この被害者の身元からだ」
「はい」
言って、立ち上がり、合掌してから捜査に入った。