3
『息子さんは、子供をかばってこのような事故に巻き込まれたとお聞きしました。
私もとても残念で無念です。大変勇敢な方です。このまま亡くなってしまうのは本当に心ぐるしい』
母親は顔を上げ医師の方を見ると。さらに続けた。
『そこで提案なんですが…勇敢な息子さんの臓器を他の命を抱えてる人に託すのはどうでしょう?』
『苦しいのはわかりますが、それを経験してきた遺族の方が世の中で沢山います…よろしければこちらの資料だけでも目を通してください、過去に似た経験した方々のデータです。』そう言って医師はドアを開けて会釈だけして後にした…
臓器提供…すなわち息子の死を受け入れる事だった。それで他の誰かが生き延びると…
40数年生きているから噂には聞いたことがあるけど。まさか自分の息子がそんな目に…
考えただけで眩暈を耐えるのが辛かった…。幸介と1時間くらい話したが、はるかにも伝えるだけ伝えようと
幸介は病室にもどろうとすると、息切れしたはるかがこっちに来た。
おかあさん!おかあさん!
はるか…今先生が…言いかけた所ではるかが口にした
『今お兄ちゃんが目を覚ました!』母親はフリーズした。何を言ってるのかがわからずにいたからだ。
目を開けて息をちゃんとしてる。
医師は確かに蘇生不可能だと2回目の診断ではっきりと言われた言葉『もう無理ですね』
例え生き返っても脳に障害が残り歩くことすら…
でも目を開けたって…ようやく開いた口をいったん閉じてすぐに確認しに向かった。
幸介もついていく形で向かった。