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『ねぇお兄ちゃん…起きてよ…ねぇお兄ちゃん起きてよ』
『シバサまで死んじゃって、ねぇお兄ちゃん起きて!』
なんで急にこんな事になるの?シバサもお兄ちゃんも朝まで元気だったのに…嘘だよね?
『流星…』両親が何度も俺の名前を呼んだが、反応しない。
反応しない状態が続き家族が混乱してる。
医師は『脳幹もダメですね、恐らくもう話す事も歩くことも、無理でしょう…』
無理っていいますと?』父親の幸介は泣きわめく母親の肩に乗せた手を震わせながら、
まだ救いの手があるのか?って
そんな表情をさせながら医師に聞くと。医師は『正直もう私たちは何も出来ません、時間の問題です。』
さらに沈黙を家族が重ねている中で妹のはるかはずっと、兄の手を握っていた。すると医師が小部屋に家族を案内した。
こちらで…案内をしても手を握ったまま病室から動かない妹を誰もが止めなかった。脳死だとわかって1時間…
現実を受け止めきれずにいても無理はないのは百も承知だからだ。
近所の子を助けようとして…子供は無事だったんだけど、とっさに突き飛ばした時にい飼い犬もついてきてしまって、
シバサ(犬)も一緒にトラックに…受け止めきれない現実のさなか医者は容赦なく家族に提案をする。