ギルドへ
セリとフィリアはギルドまで戻ってくる。
「セリちゃん!」
ギルドの門前で待っていたのは、リアだった。
「無事なの? デスタは……?」
セリの衣服はボロボロの穴空き状態になっていた。
しかし、その身体に生傷は一つも見当たらない。
「デスタは倒した。一応傷はない……」
それにリアは驚愕の表情を見せた。
「ま、まさか、本当にデスタ達を倒したの……? 無傷で……? で、でも無事で良かった。リッタも心配してるし、早く中に入ろう」
そう言ったリアの跡をついて、ギルドの中に入る。
「お嬢様……っ!」
扉を開けた瞬間だった。
リッタが飛びついてきた。
「よく、良くご無事で……」
「リッタの方こそ、元気そうで良かった」
リッタはそれからセリを抱きしめ続ける。
セリ的には、割と苦しくて離して欲しかったが、それを口にするのも無粋だろう。
「お嬢様が、無事で良かった、本当にっ」
リッタはセリに泣きついてくる。
セリはそれに応える様に、片方だけの腕で抱きしめ返した。
何故だろうか。
今日中、全部の疲労感がどっと身体に襲いかかる。
「んっ……」
セリは急に全身の力を失い、リッタに身体を預ける。
「お嬢様、ど、どうしたんですか!?」
「大丈夫、急に疲れが出てきただけ……」
「そ、そうですよね……疲れていますよね、今日はとりあえずもう休みましょう」
セリはまだ15歳前後。
まだその幼さで、これだけ辛い目にあって、それに抗おうとしている。
セリの心情を考えるだけで、いたたまれない。
リッタは、腕の中で倒れ込んだセリを抱き抱える。
「うっ……」
セリは、為されるがままにリッタに身体を預けてくれる。
それと同時に、リッタはセリの身体の軽さに驚いた。
確かに、セリの身体はかなり痩せ細っている。
これもどれだけ彼女が劣悪な環境に居たかを察させる。
「ねぇ、リッタ」
セリを自室に連れて行こうとした時だ。
リアが声をかけてくる。
「恐らく、デスタの件は近いうちにギルド長――ひいては都市長の耳元に入る事になると思う」
「……そうなりますよね」
「もし、セリちゃんが狙われる様な場合になるときは、上手く逃さないとね……まぁ、私たちがどうこうせずとも上手くやってくれるだろうけど」
セリは曲がりなりにも、この都市の最高位冒険者を殺害した。
可能性は少ないだろうが、ギルド長辺りが難癖をつけてくる可能性だってなくは無い。
「フィリアさん、その時はお嬢様の面倒宜しくお願いしますね」
リッタは、フィリアに視線を向けた。
「勿論です、私は、私ができる死力を尽くしてセリさんの力になると決めました。セリさんが地獄に行くなら、私も共に堕ちる覚悟です」
フィリアは言い切った。
その表情には、リッタにでさえ強い覚悟を感じさせた。




