表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/49

襲撃者-3




セリはリアを連れて、町外れの荒廃したスラムに来ていた。


町を覆う外壁にへばりつく様にあるこの雑多な家屋が、立ち並ぶこのスラムは犯罪の温床になっているそうだ。


かなり規模も広い様で、ここの住民は1万人に近い人数が生活しているそうだ。





セリの鼻を微かな生臭さが刺激する。



まともに舗装されていない道は泥濘んでおり、足元が泥まみれになる。


辺りにいる人間も、壁内の住民に比べると人層が良いとは言えないだろう。



リア曰く、デスタ率いる冒険者パーティ以外にも、同規模の犯罪組織がもう二つあるそうだ。



また、都市の最も外側のここは、冒険者の前線基地としての役割もあるらしい。






セリはリアの会話を聞きながらも、スラムの奥へと進んでいく。




そうすると、セリの眼前にスラムには似つかわしくない屋敷が目に映り込んだ。




屋敷の門の前には、二人のごろつきが立っている。



門番だろうか。





「ここまで、案内してくれてありがとう。後は私がいく」




セリはここまで案内してくれたリアに礼をいい、屋敷に向かおうとする。




「まって」



だが、リアはそれを制止した。




「やっぱり、私も一緒に行く。セリちゃんが強いのは分かるけど……でもさっ!」




リアはどうやら、相当セリのことが不安な様だ。




それはそうだ。



これから相手するのは、特級に分類される最強格の冒険者だ。



人間の領域――それどころか生物の領域から逸脱していると言っても過言ではない存在だ。




「大丈夫。それより、リッタのこと面倒見てあげてて、私は絶対に死なないから」




セリはそう言い残すと、ごろつきの方へと駆け出した。



「ちょ、ちょっと!」




リアがそれを引き止めようと手を伸ばすが、もう遅かった。






「な、なんだっ!?」




ごろつき達がセリの存在を視認した頃には、片方のごろつきの首に剣が貫いていた。



セリの動きはあり得ない程に俊敏だ。



動きの速さだけなら特級、あるいは速度特化の一級冒険者相当だ。




あれならデスタも倒せるのでは、リアがそう思ってしまうくらいに。




「なっ、なっ……!」




あまりなもの出来事に、混乱状態に陥りに固まっていたもう一人の首を斬り下ろす。



セリの黒衣に血液が、勢い良く付着する。



だが、黒の服に赤い染みなど目立ちはしない――やはり、この色は便利だ。





二人の門番を圧倒したセリは、門を蹴り開けて、中に入る。




その姿を見て、リアは追いかける気を無くした。




「もしかして、いや、きっと、あの子なら……」




もう一度あの動きを見て、リアは再び確信した。




セリはデスタと肩を並べる強者であると。




きっと自分程度がついていったところで、何も変わらないのかもしれない。



大人しく帰って、リッタの容態でも見ていた方がずっと役に立てそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ