第4話
冒険者がたくさん寝ているギルドの大部屋の端で寝ながら、ぼくはこれからどうするか考えていた。
冒険者ギルドのおかげで、なんとか生活する手段は手に入れた。
ただしかし、街の外はラビットだけはなく、危険な魔物も沢山いる。
それに、ぼくは12歳のこどもだ。
ラビット以外の魔物となると棒で叩いたところで、倒せないだろう。
すぐに武器を手に入れる必要がある。
ゴミ捨て場に手ごろな武器になるものがないか探してから、明日は狩りにいくとしよう。
★
朝になり、ぼくはすぐにゴミ捨て場に向かった。
使えそうなものはなにもない。たまに見つける武器みたいなものはどれもボロボロで使えそうにない。
「そりゃそうか。ゴミ捨て場に捨てた武器だ使えるようなものなんてあるはずないよなぁ。ぼくはなんてバカなんだ。はぁー。」
視界の端にキラッと光が反射した。
ん?と見てみるとまるで新品のようなナイフが落ちていた。
「やったー!!神様ありがとうございます!
でも、さっき見たときはなかったんだけどなぁー」
首をかしげながら、武器を手に入れたことを喜びそのままラビットを倒すために街の外に向かった。
岩陰からこっそり観察していると、ラビットが2体一緒に草を食べていた。
ルテンは反転を2体に使ったが、ラビットたちは、転ぶ気配がない。
あれ?と思いつつ、1体にかけると今度はラビットが転び回り始めた。
「そうか。ぼくのスキルは1体ずつしか使えないのかぁー。」
困ったなぁー。大勢のラビットに囲まれたら、逃げきれない。と思っていると
ラビットが2体転げ回り始めた。
「なんだろう?」
もうルテンも自分のスキルが、どんなスキルなのかわからなくなっていた。
とりあえず、転ばせ続けているラビットのもとに向かい、2体ともナイフで倒して、昨日肉屋さんに聞いた血抜きをして、昼を食べるために、ラビットをひきづりながら、街の肉屋さんに向かった。
「すいませーん!ラビット売りにきたよー」
とルテンがいうと
「おぉー!昨日の坊主じゃねぇか。今度はちゃんと処理できたか?」
と言いながら、ラビットを見ると
「下処理はまぁまぁだな。ただひきづられて傷ができから、銅貨7枚ってところだな。」
と肉屋はルテンに銅貨を渡した。
「ありがとう!」
なんとか、昼ごはんは食べれそうだとルテンは一安心した。
今度は荷物を運ぶ方法も考えなきゃなぁと思うルテンだった。
昼ごはんは奮発して食べたかったラビット串を食べることにした。
串し屋についたルテンは
「おじさん!串をください。」
「お兄さんだ!銅貨3枚だ。」
ルテンは銅貨3枚をお兄さんに渡した。
「ほらよ!」
ラビット串を受けとったルテンは一口串を食べた。
「おいしーい!おいしすぎる!」
噛むと溢れる肉汁。それにこの前のラビット肉と違い、味もついている。
ぼくはあまりのおいしさに、休むことなくパクパクと串を全部食べてしまった。
満腹になって、ぼくは今日のことを考えていた。
ゴミ捨て場に武器がないと思っていたら、綺麗な武器があったり。複数の対象に反転は使えないと思ったら、使えた。
僕のスキルはなんなんだろうと悩むが答えはでない。
しばらくは、お金を稼ぎながら、スキルを調べる必要があるな。
そして、肉屋に行く前に冒険者ギルドに討伐報酬をもらいに行かなかった事を思い出し、ぼくは絶望するのであった。