第2話
「にげきれたぁ.....。よかった。殺されるかと思った。」
なんとか逃げることができた。すると、ぼくのお腹から
ぐぅううううー
「お腹減った....」
なんとか逃げきれて、お腹が減ってたことを体が思い出したのだろう。
とりあえず、昼ごはんにするためゴミを漁りでもしようと思っていると、香ばしいいい匂いがする。匂いがする方向に行くと
「焼きたてのラビット串はいかがっすかー?おいしいよぉー。」
魔物のラビットの串が売っていた。
ラビットというのは、ウサギ型の魔物で食用としてよく売られている。
見るだけでよだれがこぼれそうになる。
孤児院にいるときもお肉はご馳走だった。そんなご馳走が目の前にある。
しかし、今の手持ちのお金では全然足りない。
そこで、どうにかしてラビットの肉が食べれないかと考えているとふと思いついた。
自分で街の外で狩ればいいのだ!
普段のぼくだったら、危険すぎると思い直すところだが、この時はスキルの使いすぎで脳が疲れて、ハイになっていたのだろう。
「よーし!ラビットの肉待ってろよー!」
と言って元気よく街の外を目指して走った。
★
街の外。
ぼくは早くも1人で街の外に出たことを後悔していた。
ラビットは大人であれば、簡単に倒すことができるが、自分はまだ12歳の子供である。
十分に危険で大怪我をする可能性のある存在だった。
「なんでこんなことしようと思ったんだろう。魔物と戦う道具もないし、危険なのに。ぼくらしくない。街に帰ってゴミでも漁ろう。」
と街に帰るため歩いていくと茂みから何かが出てきた。よく見てみるとラビットだった。
ぼくが子どもで自分より弱い存在であることを確認するとラビットは体当たりしてきた。
命の危険を感じた瞬間、先ほどの柄の悪い男と同じようにラビットがその場で転び続けた。
ルテンは勇気を出して、近くにあった太い棒拾い、転び続けているラビットに何度も何度も振り下ろした。
しばらくするとラビットは動かなくなった。
ぼくがラビットを倒したのだ。
「あぶねぇー。死ぬかと思ったぁー。」
その後、ぼくは火を起こし、ラビットをそのまま放り込んだ。
何の処理もしていないラビットだったがぼくは久々のご飯だったこととお肉が食べれている喜びから
「うまい!うまい!」
と言ってパクパクとお腹いっぱいになるまで、食べ続けた。
食べきれなかったラビットの肉は持っていた皮袋に入れて街で売ってお金に変えることにした。
「俺でもこのスキルを使って魔物を倒せば、生活することができるかもしれない」
ぼくはこれからの生活になんとか希望を持ちつつ、街に戻る。
街に戻るとまず、ラビットの肉を肉屋に売りにいくことにした。
「すいませーん。この肉って売れますか?」
とルテンは肉屋に話しかける。
「さすがに下処理もされてない焦げてる肉は買えないなー。
ラビットを買ってもらえないことに、僕がガッカリしていると肉屋は慌てて
「あっ、でもラビットを倒したって冒険者ギルドに持っていけば、報酬がいくらか貰えると思うよ」
「ありがとうございました。冒険者ギルドに行ってみます!」
いい情報を教えてもらったので、ぼくは冒険者ギルドに向かうことにした。