結成-9
燐は学校で昨日、全校集会で話していたモブ女子高生二人から話を聞くことに成功していた。
彼女達から話を聞く為に、学食人気一番のD定食を奢るという条件のもと、話を聞けることになった。
「岡田君が痴漢したっていう話でしょ」
モブ女子高生Aが席に着くと同時に、話を切り出す。
「そうそう」
「でも、良いの? お昼ご飯ご馳走になって」
モブ女子高生Bは申し訳なさそうに燐に尋ねる。
「気にしないで。お近づきの印ってことで」
「じゃあ、遠慮なく」モブ女子高生Bが宣言し。
「頂きます!!!」
二重唱で食事の挨拶をするとモブ女子高生はD定食にがっついて食べ始める。
傍ら、燐はかけうどんをすする。
意外と質素な生活を送る事が、燐が
「あの話はね、バスケ部の子から聞いたのよ」
箸を燐に向けながら話すモブ女子高生A。
「バスケ部。事件の詳細とか分かる?」
「あ~なんか通学途中の電車の中でOLにしたとしか聞いてない」
「時期とか分かる?」
矢継ぎ早に燐は、モブ女子高生Aに質問する。
「さぁ?」
「あ、思い出した」
ここで、モブ女子高生Bが口を開いた。
「何?」
燐が身を乗り出して聞く。
「私、岡田君が万引きしたって。つい最近、聞いたわ」
「万引き? それは誰から聞いたの?」
「え~っと、生徒会の黄山っちから聞いた」
「黄山って、女子? 後、何組の子?」
「女子、女子。なんでそこまで聞くの?」
「いや、暇だから。探偵ごっこしたいなぁと思って」
「変なの」
女子高生Aは、哀れんだ様な目で燐を見る。
「ありがとう。ゆっくり、D定食味わってね」
「は~い」
モブ女子高生Bは軽い返事をし、A,B共に食事を再開する。
燐は生徒会の黄山に接触する為、再び根回しを開始した。