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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾玖話-引導
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引導-23

「フンフフッフーン」長四郎は鼻歌を歌いながら、襖を開けていく。


「ここじゃな~い」


 長四郎がそう言って襖を閉めると、「ここじゃない?」と燐の声が隣の部屋から聞こえてきた。


「マジ?」そう言いながら、長四郎は燐の居る部屋へと移動する。


「マジ、マジ」燐はそう答えながら、部屋を捜索していた。


「ああ、確かにここだわ」


 長四郎の言う通り、女性の使っていた痕跡が残る部屋であった。


 部屋飾りや化粧品から察して、女性が使っていた部屋に間違いなかった。


「どう思う?」


「うん、さっきの女性の部屋かなとも思ったが・・・・・・」


 三面鏡台に積もった埃を拭き取る長四郎。


「っぽいね」


「ああ、っぽいな。鑑識さぁ~ん」


 長四郎は庭で作業している鑑識捜査員を呼びつけ、この部屋の鑑識作業を依頼した。


「こっちは収穫無しです」遊原巡査が成果を伝える。


「こっちはあったよ」と燐が嬉しそうに答える。


「良かったね」明野巡査がそう言うと燐はえへへへと嬉しそうな顔をする。


「それはさておき、殺害場所だな」


「殺害場所? 殺されてるって言うの?」


「うん。それがそろそろ分かる頃だと・・・・・・」


「出ましたぁ!」


 庭から鑑識捜査員の声がかかる。


「行こう」


 庭に出ると担架に腐乱死体が寝かされていた。


「うわっ!!」燐は思わず目を覆う。


「これはどういう事ですかね? 北条さん」


 こちらを見る北条に声を掛ける長四郎。


「知らんっ、知らんっ そんな女知らんっ!!」


「女? 何で分かるの? あれ、見て女性だって分かった?」横に燐に聞くと「分からなかった」と答える。


「でしょぉ~ 何で分かるの?」


「お、お前が言っていた名前が女ものの名前だったからそう言っただけだ!」秋谷が助け舟を出す。


「そ、そうだ」


「ふ~ん。じゃあ、あの死体はどう説明するの?」


「い、陰謀だ。わしを陥れる陰謀だ!!」


「諦めの悪い爺さんね」燐がそう言うと「先生に向かってなんて口を聞くんだ!!」と秋谷が怒鳴る。


「怒鳴る元気があれば、教えてくれる? あの死体の正体」


「知るかっ!!!」


「ま、答えてくれないなら良いか・・・・・・ どうせ、調べれば分かることだし」


 長四郎は気にしない様子でそう言い放ち、殺害場所の捜索を始める。


「どこだ? どこだぁ~」


 長四郎は居間の部屋に入ると、違和感を覚えた。カーペットが一部違うものになっていた。


「ここだな。鑑識さんを」遊原巡査にそう指示を出し、鑑識捜査員を呼んでもらう。


 鑑識捜査員が上に載っている家具をどかし、カーペットを捲ると、血が床にこびりついていた。


「あ、血だぁ~」


「ラモちゃんの言う通り。血だ」


「俺がこ、殺したんだ。だから、北条さんは」


「そうは行かないよ。なんにせよ。警視庁で取り調べを受けてもらわな。な?」


 命捜班の二人に尋ねるとコクリと頷いて答える。


「てな、訳だ。北条御大、続きは警視庁でお話しましょうか」


 長四郎がそう言うと北条は苦虫を嚙み潰したような顔をするのだった。

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