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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾玖話-引導
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引導-20

 北信会のメンバーを倒した長四郎と燐は、パーティー終わりの林田を待つ。


 しばらくすると、パーティー会場から出てきた林田。


「先生。どうも」長四郎は出たすぐの所で声を掛けた。


「き、君は!?」林田は目を丸くして驚いてみせる。


「何、驚いてるの?」


「お、驚いてなど・・・・・・」


 すぐに燐の発言を否定する林田に長四郎は「先生が呼んだあぶないお兄さん達は退治させて頂きました」と言うと、林田は顔を引きつらせる。


「じゃ、行こうか」


 長四郎は一礼し、燐を連れてその場から去った。


 林田は大慌てで、トイレに駆け込み電話を掛ける。


「もしもし?」


「どうしました?」電話の相手は少し驚いたような声を出す。


「あの探偵だ。北信会の奴らを倒したんだぞ」


「そうですか・・・・・・」


「そうですかって、なんとかしろ。北条氏の邪魔になるだけだ」


「そうですね。分かりました。こちらで対処しましょう」


「頼むぞ」


 通話を切った林田は、呼吸を整える為にふぅ~っと深呼吸をする。すると、心が少し落ち着いたのか冷静になる自分がいた。


 今度来た時は、取り乱さないようにしなくてはとここに決める林田であった。


 翌日、長四郎と燐は姿を現さなかった。


 林田は、電話の相手が始末したのだと思った。


 そして、今日は予備校でフルに授業がある日なので、予備校に向けて自身が運転する高級車を走らせる。


 予備校近くの地下駐車場に車を停めて、予備校に向かおうとした時、一台のセダンが林田の前に止まった。


「な、なんだ」


 驚いているのも束の間、セダンから強面の男達が降りてきた。


「一緒に来てもらおうか」中央に立つ男が林田に話しかけた。


「い、嫌ですよ」


「良いから、来るんだよ!!」


 男達は林田を無理矢理車に乗せようとする。すると、どこからもなく拍手の音が聞こえた。


「な、なんだ?」男達の手が止まり、周囲をきょろきょろと見回す。


 柱の陰から、長四郎と燐が拍手しながら登場した。


「なんだ? お前ら?」


「なんだかんだと言われたら、答えてあげるが世の情け、日本の破壊を防ぐため、日本の平和を守るため、愛と真実の正義を貫くプリティーヴァイオレンスな主人公、熱海、羅猛。東海道を駆け抜ける新幹線の二人には! ブラックホール暗い明日が待ってるぜ!!」


「何それ、ダサっ」


 長四郎渾身の名乗りを否定する燐に同意するようにその場に居た全員がうんうんと頷く。


「おう、やっちまえ!!」リーダーの男がそう指示を出すと長四郎と燐に襲い掛かる男達。


「また、このパターン?」燐はそう言いながら、突進してくる男の金的を蹴り上げダウンさせる。


「作者の頭が悪いとこういう展開になるのっ!」


 振り下ろす警棒を白刃取りする長四郎はそう言いながら、男を蹴り飛ばして引き離す。


 今度はナイフに切り替えて襲い掛かろうとするので、長四郎はブーメランを取り出し、投げる。ブーメランは空を切りながら男の手首に当たり刃物を落とす。


 その隙を見逃さなかった長四郎は、うずくまる男の顔を蹴飛ばして倒す。


「やろぉ~」


リーダー格の男がナイフを突き立てながら、長四郎に向かって突進する。


 燐は林田の確保と同時にダーツの矢を男の手首に向かって投げ、ダーツの矢は見事に命中し男の手からナイフが転がり落ちる。


 そこを勝機と捉えた長四郎は、男の顔面に渾身のパンチを浴びせノックアウトさせる。


「ふぅ~ あぶないところでしたね。お役御免の先生」


「な、何の事だ?」


「あんたは、切られたんだよ。さ、これで分かったろ。どっちの味方をした方が良いかをさ」


 そう言う長四郎に、林田は反論することはなかった。

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