表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾玖話-引導
751/758

引導-18

 隅田川の堤防に臨場した長四郎、遊原巡査、明野巡査の三人。


「この子、どこかで見たな・・・・・・」


 ご遺体を見た長四郎の第一声はそれであった。


「見たことあるって。どこで?」と遊原巡査が質問すると「林田が経営する売春クラブのリスト」と答える。


「どうして、そう言う大事な情報を教えてくれないんですか?」


「ごめん、ごめん。言うの忘れてた」と明野巡査に謝罪する長四郎。


「で、そのリストは今、どこに?」


「車の中だわ」


「取ってきます」明野巡査はそう言って現場を離れた。


 そして、長四郎は遺体の写真を撮り、燐に送信した。


「探偵さん、これは見せしめなんでしょうか?」


「さぁな。見せしめであったら、シャブ漬けで殺したりしないと思うけどな」


「持ってきました」明野巡査がリストを持って戻ってきた。


「どれ」長四郎はリストをもらい、ペラペラとめくりながら照会作業をしていると燐から着信が入る。


「しもしも?」


「・・・・・・」


「どうした? ラモちゃ~ん」長四郎が返事のない燐にそう声を掛けると「島ちゃん」とだけ返事が返ってきた。


「島ちゃん?」


「島倉って子なの。その子・・・・・・」


 リストを見ている二人に目を向けると、島倉の欄を長四郎に見せる。


「知り合いか?」


「うん」


「そうか。残念だったな・・・・・・」


「・・・・・・」


「取り敢えず、会おう。これから最寄りの警察署へ行く、そこで会おう」


「分かった」


 そこで通話は終わった。長四郎は燐に最寄りの警察署の住所を送信した。


「ラモちゃん、何だったんです?」明野巡査が質問した。


「被害者の子と知り合いだったらしい」


「そんな・・・・・・」


「ていう事は、被害者は予備校関係者って事ですか?」


「そうなるな。というより、そのリストに載っている子は予備校に関係しているんだ」


「マジか」絶句する遊原巡査。


「ここで立ち話もなんだから、警察署に行こう。ラモちゃんとも落ち合う事になったから」


「分かりました」刑事二人は、そう返事をする。


 燐が警察署に到着したのは、それから30分後のことであった。


「あ、来た」


 長四郎が近づくと燐は目を腫らしていた。


「辛いところ、悪かったな」


「島ちゃんは今どこ?」


「こっちだ」


 長四郎は霊安室に案内する。


「島ちゃん・・・・・・」

 燐は涙を浮かべ泣き始める。


 それを見ていた長四郎は、島倉と親しかったのがよく分かった。


「ラモちゃん。彼女が殺される心当たり、あるか?」


 その問いに燐はコクリと頷いて答えてから、口を開いた。


「彼女、トォォルンをやっていたんだよ。私には言わなかったけど。そんで、この前、誰かに呼び出されていたんだよね。多分、その時に・・・・・・」


「呼び出した相手、分かるか?」


 燐は首を横に振って答える。


 だが、長四郎には心当たりがあった。その相手は林田だ。


「他に気になる事あるか?」


「ない」


「分かった。ありがとう」


 長四郎は霊安室を出て、部屋の前で待機していた遊原巡査にこう告げた。


「林田をマークしよう」と。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ