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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾玖話-引導
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引導-17

 その日、燐は島倉と共に喫茶店で勉強していた。


「島ちゃんはさ、やっぱいい大学に入りたいと思って勉強してんの?」


「あ、うん」と燐の質問に答える島倉。


「そうか」


「羅猛さんは?」


「羅猛さんって他人行儀な。燐ちゃんとかで良いの」


「じゃ、じゃあ、燐ちゃんは何で勉強するの?」


「私は自分の為かな」


「自分の為?」


「そう、誰に言われるとかではなくて自分の為にやるの。夢があるしね」


「夢? どんな」


「それは秘密」


「え~ 何で」そう言っていると島倉のスマホに着信が入る。


 相手は、確認できなかった。


「はい、もしもし」電話に出る島倉のトーンはどんどん下がっていき「分かりました。向かいます」とだけ返事をし、通話を切った。


「ごめん。行かなくちゃ」


「どこに?」


「ちょっとね・・・・・・」


 それだけ言って、島倉は去っていった。


 燐は後を追いかけようかとも思ったが、辞めることにした。


 そうして、燐は勉強を終えて林田の予備校へと向かった。


 その頃、長四郎はというと・・・・・・


 警視庁にその身を置いていた。


「探偵さん、取り調べの結果ですけどね。北条恒は、麻薬カルテルとの癒着している事が分かりました」と遊原巡査がそう言う。


「麻薬カルテルか・・・・・・」


「他には、トォォルン製造工場は都内に複数箇所にあることも判明しました」明野巡査が報告する。


「で、工場は?」


「今、潰す算段を整えているところです」


「遊原君。この前、捕まえた奴らから北条恒に関して何か聞き出せた?」


「いえ、それについては・・・・・・」と明野巡査は悔しさを滲ませる。


「全然、進まねぇな」長四郎はやれやれ困ったといった顔をする。


「ラモちゃんの方はどうなんでしょうか?」


「連絡してこないって事は芳しくないんじゃないのかな?」


「八方塞がりのこの状況、どうにかならないですかね」


 明野巡査の言葉を受け、三人はう~んと考え始める。


「あ~ ダメだ。全く思いつかないな・・・・・・」


「そうですね」と長四郎に同意する遊原巡査。


「探偵さん、秋谷に接触したんですよね?」


「おう」


「感触はどうだったんですか?」


「黒だね。あいつは」


「秋谷から崩せる事は出来ないんですかね?」


「遊原君、それが出来るならとっくにやっている」


「そうだよ。少しは考えてから言ってよね」と明野巡査に注意され、遊原巡査はムッとする。


「そういうんだったら、何か思いついたんだろうな?」


「急には無理だよ」


「じゃあ、偉そうな事を言うなよ」


「何、怒ってんの?」


「怒ってねぇ~し」


「まぁまぁ、お二人さん喧嘩しないで。ね? 仲良く、仲良く」


 長四郎がそう言うと、館内放送が流れる。


“入電。隅田川に薬物中毒の遺体が上がったもよう。現場に臨場せよ”と。


 長四郎達は、すぐに動き出した。

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