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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾玖話-引導
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引導-15

「そういや、行方不明の人は?」


 佐藤田警部補は長四郎にそう聞いた。


 二人は今、都内某所の公園で情報交換を行っていた。


「行方不明の人は多分、最悪な形で見つけてはあります」


「最悪な形ねぇ~」そう言う佐藤田警部補はチュッパチャプスを舐め始める。


「それで、行方不明者を見つける為にトォォルンを追ってるんです」


「そうか・・・・・・ それでばら撒いている元締めは?」


「そっちは、ラモちゃんが」


「女子高生やるねぇ~」目を丸くする佐藤田警部補。


「やるときはやりますよ。あれも。それより、警視庁の動きはどうなんです?」


「あ、うん。鈍いねぇ~ 流石は大物フィクサー」


「そうですか。佐藤田さんにはご迷惑をおかけし申し訳ありません」


「いいや、謝ることないよ。ま、また何かございましたら、教えてくださいな。後、内の若いのは好きに使って良いから」


「ありがとうございます」


 かくして、二人は別れた。


 別れた足で長四郎は、新宿へと向かった。


 昼間からやっているバーに入る。


 すると、先客が長四郎を待っていた。相手は勿論、金田一小五郎である。


「よぉ、待った?」


「待った。待った」という金田一の呂律は少し回っていなかった。出来上がっているのである。


「それはすまなかった。で、調べの方は」


「もう、ばっちし」とOKサインをする金田一。


 金田一は、封筒を机の上に置く。


「失礼」


 長四郎は封筒を開いて中身を確認すると、そこには、林田修の調査結果が入っていた。


「林田がトォォルンの販売を始めたのは、つい最近だ。それまでは脱法ハーブで一儲けしていたみたいだ」


「そうか。人気講師が裏では脱法ハーブを売りさばくか・・・・・・ 嫌な、世の中だな」


「それよりも、もっと嫌な事がある」


 長四郎が資料を捲ると、次に目に入ったのは売春クラブの情報であった。


 林田は自分の生徒に売春させていた。相手はテレビ関係者で、タレントからプロデューサーと多岐にわたる。


「で、このリストがテレビ関係者に出回っているのか」


 その中に、島倉の姿があった。


「報酬は、金だけでなくトォォルンの可能性もあるな・・・・・・」


「長四郎、可能性ではなく事実だ」


「事実なんかい」長四郎はやれやれみたいな顔をする。


「そう。奴は、金ではなくトォォルンを報酬に売春させている」


「てか、相当な悪だな。林田って奴は」


「倒しがいがあるだろ?」


「あるねぇ~」


「次のページを見てくれ」


 長四郎は言われたままページを捲る。


 そこに書かれていたのは、林田を使役する北条恒のエージェントの男の情報であった。


「こいつは?」


「北条恒お抱えの優秀なエージェントの秋谷だ。お前さんが昔、捕まえた奴の後釜だ」


「懲りないねぇ~ あの爺さんも」


「ま、懲りてりゃこんなことしないよ」


「それもそうだ。ありがとうな」


 長四郎は礼を述べ、金田一のお代を肩代わりしてから秋谷(あきや)の元へと向かった。

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