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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾玖話-引導
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引導-14

「ねぇ、島倉さんはここに入って長いの?」燐が質問すると「いや、二年目です」と答える島倉。


「二年目か・・・・・・」


「はい」


「ねぇ、さっきの男達は知り合いなの?」


 その問いに、ギクッみたいな顔をする島倉は、咄嗟に首を横に振る。


「知り合いじゃないのね」


「は、はい」


「あのさ、林田先生ってどんな人? テレビに出てる感じの人なの?」


「テレビの感じが分からないから、何とも」


 昨今のテレビ離れを実感する燐は、島倉と共に林田の授業を受けることになる。


 林田の授業は小気味いい雑談が入りながら、行われるスタイルで要点はしっかりと抑えているのでとても勉強になる。


 燐は授業を受けていて、こういう教師が学校に居ればなとすら思う。


 授業はあっという間に終わりを迎えた。


 そして、燐は林田に接触することにした。


「先生」


「なんだい?」


「実は、ここの問題についてお聞きしたいのですが」


「うん? これか、よしよし。時間がないから手短に答えよう」


 ものの二分で燐の疑問は解決できた。が、もう少し引き留めてこいつの人となりが知りたいそう思う燐。


「じゃ、これで」


 林田はそう言って、スマホをポチポチ操作しながら消えていった。


「Shit!!」燐は悔しがっていると「羅猛さん」島倉が声を掛けてきた。


「島ちゃん。どうかしたの?」


「いや、その。これからご飯でも行かない?」


「良いよ」燐は即答した。


 二人は、近所の回転寿司に来ていた。


「島ちゃんは何が好き?」


「え?」


「だから、ネタで何が好き。私、カレイが意外と好き」


「へ、へぇ~ 渋いところが好きなんだね」


「渋いって。バァさんじゃないんだから」


「あ、ごめん。そう言うつもりで」


「分かってるよ。はい、これ」


 燐はそう言って、島倉にカレイの皿を手渡す。


「食べてみ」


「あ、うん」


「でも、急にどうして私とご飯行く気になったの?」


 燐は唐突に本題を切り出した。


「一度で良いから、こういうのしてみたかったの」


「そう」燐はそれ以上聞かないことにした。


「羅猛さん。あの悪い人たちを捕まえてたけど、刑事か何か?」


「まさかぁ~ そんな訳ないじゃない。私はしがないキュートな女子高生よ」


 燐はそう答えながら、マグロを口に入れる。


「そうは見えないけど・・・・・・」


「気のせい。気のせい」と燐は気にしない様子で寿司をどんどん口に入れていく。


 それに対して、食が進まない島倉。


「食べないね」


「あ、うん。ダイエット中だから」


「ダイエット?」


 燐が島倉の身体を見ると、そんなダイエットをする必要のない体型ではない。寧ろ、瘦せている方であった。


「気のせいじゃない」


「そうかな」


「そうそう。だから、食べな」


「あ、うん」


 島倉はカニカマ軍艦を手に取り口に入れるのであった。

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