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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾玖話-引導
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引導-11

「で、元締めはどこなの?」


 燐は長四郎にそう尋ねた。二人は今、品川に来ていた。


「ここ」長四郎が指さした先には、予備校の看板があった。


「また予備校?」


「そういうなって。元締めはあの人なんだから」


 長四郎は看板に写っている男を指さす。


「え~ 今だよ。の人ぉ~」


 そうこの講師は、10年前に流行ったCM「いつやるの? 今だよ!!」で一世風靡した人気講師である。


「嘘ぉ~」


「噓かどうかをこれから確かめるんだから」


「へぇ~い」燐は適当に返事をするのであった。


 燐の保護者のふりをして、入会の手続きをする長四郎。前回の経験で、高校生のフリはかなり厳しい事が分かったので今回は燐一人の潜入となった。


「ま、頑張って来るわ。お兄さん」


 長四郎は燐の兄ということで、受付を済ましたのだ。


 そして、燐は予備校に潜入していった。


 そちらは燐に任せて長四郎は一人、半グレグループ北信会の事務所がある代官山に来ていた。


 こんな街に半グレがいるのかとお思いだろうが、いるのだからしょうがない。


 長四郎は公衆トイレでお着替えをする。配達員へと変身し、来る道中で購入した観葉植物を抱えて事務所へと向かった。


 緊張した面持ちで、インターホンを押す。


「はぁ~い」サングラスをつけた若い男が出てきた。


「お届け物です」と観葉植物を差し出す。


「あ、どうぞぉ~」中へと招き入れられるので「お邪魔しまぁ~す」と中へお邪魔する。


「これはどちらに?」


「センス」


「はい?」


「いやだから、あんたのセンスに任せるってことだよ。バカ」


 ムカッとするが、グッと堪えた長四郎は部屋の中を見回し窓際に置くことにした。


 そして、そこに盗聴器も仕掛ける。


「失礼します」長四郎は男にペコリと頭を下げて、部屋を後にした。


「ったく、センスがねぇ~なぁ~」盗聴器の音声は良好らしく、よく聞き取れた。


「センスがねぇのは、てめぇの方だろう。キザニマ(キザな二枚目)な俺に向かって言う事か?」

 不服そうにする長四郎はイヤホンから聞こえて来る声に専念する。


「で、トォォルンの取引はいつ何ですか?」構成員の一人が本題を話し出した。


「今日の夜だ。場所は覚えてるよな?」リーダーのMURATAがメンバーに確認する。


「ええっと」最初に質問したメンバーが戸惑うと、「バカヤロー、覚えてないでどうするんだよ?」とサブリーダーのMIYABEがしかりつける。


「すいません」


「すいませんじゃねぇよ!」


「MIYABE、落ち着けよ。場所は品川のふ頭だ。時間は25時だ。良いな」


「はいっ!!」

 男達の元気いっぱいな返事が聞こえる。


 それ以降は、何も話さなくなった。


「ったく、危ない薬をばら撒こうってのか? そうは問屋が卸しませんよってな」


 長四郎はすぐ様、佐藤田警部補に連絡するのだった。

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