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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾玖話-引導
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引導-6

 ほろ酔い気分で警視庁へ赴く長四郎の前に、またもや例のワンボックスカーが姿を現す。


 そして、今度は前回より多い人数が降りてきた。


「これを一人で相手するのか」長四郎はほろ酔い気分の所をマジのモードに切り替えて心の準備をする。


「この前は上手く逃げ切ったようだが、今回はそういかんぞ!」リーダー格の眉なし男が長四郎に言う。


「そうかい」


「かかれぇ!!!」


 男達が一斉に襲いかかってきた。長四郎はグッと身構えよぉ~いドン! の要領で逃げ出した。


「この人数相手にやり合えるかってぇ~の」


「待てぇ!!!」男たちは一生懸命になって長四郎を追っかける。


 すると、長四郎の目の前に今度は別のワンボックスカーが止まる。


「Shit!!」


 挟み撃ちあう長四郎は逃げ場を失う。


 前門の虎後門の狼の状態で総勢十人ちょっと。この人数相手に長四郎はどう立ち回るのか。


「参ったねぇ~ どうも」


「やっちまえぇ!!」

 眉なしの号令で男達が一斉に襲いかかってきた。


「やるっきゃないかっ!!」


 長四郎は対面に殴りかかって来るので、頭を下げて回避。同士討ちさせ倒し、すぅっと立ち上がり次に襲いかかる男二人の首根っこを掴み、顔面キッスをお見舞いする。


 思いもよらぬ長四郎の反撃に戸惑う眉なし男。


「やれ! やれぇ!!」

 男たちは徒党を組み長四郎にかかって来る。しかし、長四郎は華麗な身のこなしでそれを避ける。


「よぉ~し、こっちもやっちゃうぞぉ~」


 今度は、長四郎の反撃だ。


 懐から、パチンっと音を立ててブーメランを組み立てると長四郎はそれを男たちの頭上目掛けて投げる。


 ブーメランは、クルクルと華麗に宙を舞い、二人の男の髪の毛を剃った。


 あまりの切れ味に、尻餅をつく。


「この野郎ぉ~」遂に眉なし男が木刀を武器に襲いかかる。


 名一杯に木刀を振り回すので、長四郎も間合いを取るのに必死であった。


 寸での所で交わした木刀は、たまたま置いてあったごみ箱を真っ二つに叩き切った。


「お見事ぉ~」


 関心する長四郎に「きえぇぇぇ!!」と変な声を出して振り下ろす。長四郎は華麗なターンで躱して、蹴りをお見舞いしノックアウトさせた。


「ふぅ~ 全く、手のかかる眉なしちゃんじゃった」長四郎はそう言いながら、警視庁へ通報するのだった。


「探偵さんを襲ったのは、北信会という半グレグループですね」


 そう長四郎に報告する遊原巡査。


「8,933番みたいな名前なのに?」


「8,933番?」首を傾げる燐に長四郎は「や・く・ざ・さ・ん。ヤクザさん」と答えた。


「あ~」と納得する燐。


「それで、誰に頼まれたかというと、見ず知らずの男だそうです」と明野巡査が教える。


「見ず知らずの男に雇われたか・・・・・・ ねぇ、長四郎を尾行していた背広の男かな?」


「ラモちゃんの言う通りじゃね。知らんけど」


「あんたの事でしょ?」


「まぁまぁ、ラモちゃん。落ち着いて」明野巡査が宥めると「人の気も知らないくせに」という燐。燐は燐で長四郎が心配なのだ。


「知りたくもありましぇ~ん」なのに、長四郎は皮肉で返す。


 当然の如く、燐の鉄拳制裁がお見舞いされるのだ。


「ひでぶっ!!!」という断末魔を言う長四郎。


「背広の男、探りましょう」

 気を取り直し、燐はそう言う。


「そうね。でも、探偵さんが動かないと背広の男も姿を現さないんじゃ」


 明野巡査は長四郎の身に危険が及ぶのが心配なのである。


「大丈夫。こいつはそんなに容易くやられる魂じゃないから。な!」


 部屋の隅で悶絶する長四郎に声を掛けると、「うん」とだけ返事が返ってくる。


 そして、遊原巡査と明野巡査は思った。燐は長四郎の身を本当に案じているのかと。

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