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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾玖話-引導
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引導-5

 翌日、長四郎は燐を引き連れて新宿に来ていた。


「どこ行くの?」


「良いところ」


 長四郎はある雑居ビルへと入っていく。


「ここ何ぃ~」燐は気味悪がって、長四郎にすがりつく。


「すがりつくなよ」


 燐の手を振り払う長四郎はある一室のドアをノックする。


 中から「はぁ~い」と返事が聞こえ、「失礼するぞ」と長四郎は燐を連れて中に入る。


 部屋の中はゴミ袋であふれかえり、さながら、ゴミ屋敷といった部屋であった。


「きったなぁ~い」という燐に「どの口で言うんだ」そうツッコミたくなったが長四郎はグッと堪えた。


「汚いとは失礼だな」ムスッとしながら身体を起こす男が一人。


 金田一 小五郎(きんだいち こごろう)である。この金田一小五郎の事を知りたい方は第32話-隠密を読んでね。そこに登場するから。by作者。


「ごめんな。失礼な事を言う奴を連れて来ちゃって」


「その子が新しい助手か?」


「新しい助手でぇ~す! 新しい助手? どういう事?」燐は説明を求める。


「その辺は後にしてくれ」長四郎はそう言ってから「トォォルンの事なんだが」と本題に入る。

「例の麻薬トォォルンだな」


「そう。そのトォォルンがまた出回っているらしい。何か知らんか?」


「い~や、知らんね」


「そうか・・・・・・・ 知らんか・・・・・・・」


「なんだ? あれ、また出回り始めているのか?」


「そうなんです」と燐が答える。


「なぁ、ここ最近のトレンド知らんか?」


「知らんね」


「今日はやけに冷たいじゃない」


 そこで思い出した。金田一小五郎は女性に弱いのだ。女性がいるだけで照れて寡黙になってしまう癖があるのだ。


 ここ新宿に住み始めて長いので、すっかりこの癖が治ったとばかり思っていた。


「ああ、そういうことね。悪かった。今日の所は引き返すわ」


「え! 帰るの!」驚く燐を他所に長四郎は「ああ、帰る」と言って雑居ビルを後にした。


「悪いがラモちゃんは一足先に警視庁に行ってくれ」


「あんたは?」


「俺はもう少し、ここら辺で調べるから」


 ここら辺の情報通が知り得ない情報を調べて分かるのか、そう言いたい燐であった。


 燐が警視庁へ向かったのを確認した長四郎は再度、雑居ビルに入る。


「いやぁ~ 悪かったな」長四郎はそう言って、金田一に謝る。


「気にしないでくれ。俺が悪いんだぁ~」


 金田一は落ち込んで見せる。


「気分直しに飲み行こう」


長四郎の提案に乗り、二人は歌舞伎町のバーに移動した。


「で、トォォルンなんだが」


 ウィスキーが出てきたタイミングで、長四郎は本題を切り出した。


「ああ、最近なまた出回っている。しかも」


「しかも?」


「しかも、若い連中でも高学歴な連中にはびこってるんだわ」


「マジか・・・・・・」


「マジだよ。前回はここら辺を徘徊しているガキにも出回っていたのだが、今じゃめっきり減った。寧ろ、優秀な学生に配られててな」


「頭良いのに。なんで、シャブなんか」


「そう凡人にも理解できんのが、賢い頭をもった性よ」


「そうかぁ~ そうなのかぁ~」長四郎はそう言いながら、通しのピーナッツを口に入れる。


「で、他に聞きたいことは?」


「お、待ってましたぁ~ 今回のトォォルンと北条恒の関係、調べてくんねぇかな?」


「All Right」


「じゃ、宜しく」


 長四郎はウィスキー代を置いて去っていった。

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