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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾玖話-引導
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引導-3

 北条恒の別荘は、長野県の軽井沢にあった。


 長四郎は一人でこの軽井沢の調査へと訪れた。


「避暑地だけに涼しいなぁ~」

 長四郎はバイクを走らせながら、涼風を楽しむ。


 別荘は避暑地の一等地にある。長四郎はバイクを別荘から見えない位置に駐車し、別荘へと向かう。


 別荘の周りは木々に囲まれており、身を隠すには持って来いの場所ではあった。


「さ、さっと見つけて帰りましょう」


 ドローンの電源を入れ、屋敷に向けて飛ばす。


 ウィーン


 木々を避けながら、ドローンは邸内に入る。


「潜入成功!」


 長四郎はドローンを巧みに操作しながら、邸内を捜索する。


「蔵はなし・・・・・・」


 そのままドローンは別荘を一周し、再度、もう一周するが痕跡すら見つからない。


 再度、もう一周。


 だが、唯奈が監禁されている痕跡はなかった。


 一方、その頃、東京に残った燐はというと・・・・・・


 リリが目撃したというトォォルンの受取場所になっている塾へと潜入していた。


「この中に、トォォルンをばら撒いている奴が・・・・・・」


 燐は自習室で学習する同じ高校生や中学生をギッと睨み付ける。


 ここで、勉強して早一時間。そう言った動きはなかった。


 手ぐすねを引いて、待っていると目がうつろな学ランを着た男子学生が自習室へと入ってきた。


 燐は待っていましたと言わんばかりの顔をする。


 そして、男子学生の様子を写真に収める。


 男子学生は勉強を始めるのだが、身体が左右にゆ~らゆ~ら揺れ、時より笑い出したり明らかに様子がおかしいのだ。


「怪しい・・・・・・」


 燐の睨んだ通り、男子学生は急に泡を吹いて倒れた。


「あ!?」


 燐はすぐに駆け寄り、男子学生の救護活動を始める。


 それを見た女子学生の悲鳴が上がるが燐の「黙っとれぇ!!!」の声で一瞬にして悲鳴は止む。


「しっかりしなさいよ! 男の子でしょ!!!」


「変わろう!!!」塾の講師が救護活動を変わる。


 燐はふと視線を向けた先に、燐と目が合う男子学生がギョッとした顔をし、そそくさと逃げた。


 当然の如く、後を追いかける燐を見て駆け足で逃げ出す男子学生。


「待ちなさい!!!」


 燐はそう言って、男子学生を追う。


「ひっ、ひぃ!!!」


 男子学生は必死の形相で逃げ、燐も必死に後を追いかける。


「ク、クソッ!!!」


 男子学生は観念したのか、立ち止まり燐を倒そうと殴りかかってきた。


 だが、これが運の尽き。相手が悪かった。


 燐は男子学生のストレートパンチを華麗に躱し、華麗な回し蹴りを浴びせノックアウトさせる。


「ったく、レディーに向かって暴力とはなんだ!!」


 燐は男子学生をしかりつけるのだった。


「ラモちゃんが捕まえたのは、学生に化けた売人だったよ」と明野 泉(あきの いずみ)巡査が燐にそう告げた。


 男子学生を捕まえた燐はすぐさま、警視庁に通報し現場に駆け付けた命捜班第二班に犯人の身柄を預け、その取り調べ結果を聞くため、警視庁捜査一課・命捜班第二班の部屋にその身を置いていた。


「やっぱり」


「にしても、よく分かったな」遊原 祐希(あそはら ゆうき)巡査が褒める。


「日頃の行いが良いからね」


「ま、それはさておき、お手柄だったよ」と二人の上司、佐藤田 一喜(さとうだ かずき)警部補も褒める。


「どうも」


「でも、またトォォルンが出回るなんて・・・・・・」


 明野巡査は悔しさを滲ませる。もう少し自分達の取り締まりがしっかりしていればこんなことにはならなかったとでも言いたげな感じであった。


「気にしても仕方ないさ。また、取り締まれば良いだけさ」


 佐藤田警部補はそう言って、部屋を出ていった。


「何としても、潰さなきゃ」と意気込む明野巡査と燐は固く誓いあうのだった。

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