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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾玖話-引導
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引導-2

「トォォルンがばら撒かれてるって?」


 長四郎は機材を用意しながら、燐の話に耳を傾ける。


「そうらしい」


「ったく、凝りねぇジジィだな」


 長四郎はドローンを起動させ、動作チェックを始める。


「ねぇ、何してるの?」


「人探しの準備」


「それより、トォォルンをどうにかしないと」


「あのな、そういうことは警察のお仕事。高校生なのにそんなことも分からないようじゃ、大人の仲間入りにはできないな」


「そんな仲間入りはしたくない」


「ま、そういうことだから」


「どういう事よ。手伝うわよ。人探し」


「え~」


「え~ って何よ」


「え~ なものはえ~ なんだよ」


「何、隠してるの?」


「隠してないよ。ま、とにかく帰って勉強でもしてなさいっ!」


 その夜、長四郎は北条恒邸から少し離れた位置で、陣地を取り葛城唯奈の捜索を開始する。


「なんで、ラモちゃんがいる訳?」


「居ても良いでしょう?」


「いやぁ~」


「何が、いやぁ~ だよ。てか、あそこって北条恒の家だよね?」


「あ、覚えていたんだ?」


「トォォルンをばら撒いている元凶だもん。忘れる訳ないじゃない」


「ああ、そ」長四郎は双眼鏡で、北条恒邸を見る。


 燐は長四郎の双眼鏡を取り上げて、覗く。


「変な所は無いようねぇ~ で、依頼の内容は?」


 長四郎は燐に依頼内容を話した。


「前も似た依頼だったよね。人探しの依頼」


「そう。だから、前回の経験を生かしてだな。これを持ってきた」

 ドローンを飛ばす長四郎。


 屋敷に入ったドローンは、前回監禁されていた蔵へと一直線に飛んでいく。


「あ、居ないな・・・・・・」


 長四郎は暗視スコープから見える蔵の中を見てそう言う。


「ダメじゃん」


「ああ、ダメだ」


 ドローンは屋敷内を周回し、唯奈の姿は見つける事が出来なかった。


「ダメだわ。撤収」


 長四郎はドローンを手元に飛ばして、回収し足早にその場から去ることにした。


「ドローン作戦は失敗でした」


 翌日、事務所を訪ねてきた姉の幸香にそう報告をする長四郎。


「そうですか・・・・・・・ 妹はどこに居るんでしょうか?」


「それなんですがね。他に行きそうな場所とか心当たりありますか?」


「すいません。思い当たる節がなくて・・・・・・」


「分かりました。こちらも気合を入れて、捜索を始めます」


「お願いします」幸香は帰っていった。


「長四郎、居るぅ~」


 入れ違いで燐が事務所を訪ねてきた。


「居ますよぉ~」長四郎は椅子にもたれていた。


「今、すれ違った人が依頼人?」


「左様」


「で、どんな反応だった?」


「良い反応じゃなかったことは分かるでしょ?」


「そうねぇ~ どこにいるんだろう?」


「どこに居るんでしょうねぇ~」


 回転椅子をクルクル回す長四郎は自身も椅子と一緒に回る。


「北条恒が監禁してるのかな?」


「お姉さんの言い分だと、そんな感じに聞こえるな・・・・・・」


 そう答える長四郎の顔は渋い顔をしていた。


「別荘とかは?」


「別荘か・・・・・・ 良い線だな。前回の件を学習して、別荘に監禁もありうるな。ラモちゃん、冴えているね」


「あんたが冴えてないだけ」


「厳しい事を言うねぇ~」


「じゃあ、別荘を調べようか」


「へい、お頭」


 長四郎は燐の指示に従い、北条恒の別荘がある場所を調べるのだった。

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