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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾捌話-苗字
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苗字-7

 翌日、周同句司は阿武亜実の家へ呼ばれた。


「ここは?」

 周同は長四郎に質問を求める。


「ここは、阿武亜実さんの自宅です」と長四郎は答えながら、家の中へと案内する。


「さ、どうぞ。お先に」

 長四郎は先に周同を中に通し、後に続いて長四郎は中に入る。


「暗いですね」周同はそう言いながら、廊下の電気のスイッチを見ずにパチンっと入れる。


 そのままリビングへと入り電気のスイッチを入れた。


 すると、燐、一川警部、絢巡査長の三人が姿を現し「うわっ」と驚いてみせる周同。


「驚かせてしまって、すいません」長四郎は心の籠ってない謝罪する。



「いえ、この方たちは?」


「助手と刑事です」そう答える長四郎は続ける。


「今日、貴方を呼び出したのは、犯人が分かったからなんですよ」


「犯人が? もしかして、僕がとか言うんじゃないでしょうね?」


「分かってらっしゃるじゃないですか」

 その言葉にムッとする周同。


「いや、無責任に言っている訳じゃないですよ。最初に疑ったのはダイイングメッセージです」


「ダイイングメッセージ?」


「ダイイングメッセージは、これです」


 絢巡査長はダイイングメッセージを撮影した写真を長四郎に手渡す。


「これなんですがね」それを周同に手渡す。


「これで、どうして僕だと」


「それはこう言う事です」燐が自身で解き明かしたダイイングメッセージの種を説明した。


「そんな事で私が犯人だと?」


「これが第一です。そして、第二はここに来て分かりました。貴方、初めて来た風を装ってますがそうじゃないですよね? 確証はありますよ。何故なら、貴方はここの家のスイッチを迷わずに押した。来たことありますよね?」


「はぁ~ 確かに来ましたよ。でも・・・・・・」


「でも?」


「凶器の刃物は、どこにあるんですか?」と逆質問してきた。


「刃物なんですね。凶器」と知らなかったような素振りを見せる長四郎。


「あんた、知らんと思うかもやけど。警察は公式に刃物が凶器と発表しとらんのです。それに、凶器が見つかってないこともね」


 一川警部のその言葉にマズったみたいな顔をする周同句司。


「で、その凶器はどこに隠しているんですか?」長四郎が質問すると「知らない。知らない」と答える周同の顔には汗が滲み出る。


「ま、詳しいお話は警察署でしてもらえますか?」


「たっぷり、お話しましょうね」


 絢巡査長はにんまりとした顔で、周同にそう言い連行していった。


「長さん、ありがとう」一川警部は礼を述べて部屋を後にした。


 その後、警察の厳しい取調べにより、周同句司は阿武亜実殺害を自供した。


 事件に至った動機として早い話が痴情のもつれだ。交際していたのだが、浮気を疑われた周同はそれを否定したのだがバンバンと罵られ、ついカ゚ッとして殺害してしまったのとことらしい。


 そして、長四郎はというと・・・・・・


「はい、これ」燐は長四郎に封筒を渡す。


「何これ?」と言いながら封筒の封を開けて中身を確認する。


 そこには5万円だけが入っていた。


「これ、報酬?」


「そう。富有子さんから」


 長四郎は相も変わらずケチいババアだと言いたかったが、グッと堪える。


「けち臭いとか思ったでしょ?」


「滅相もない」


「顔に出てるわよぉ~」


 長四郎はキッと顔を引き締めて誤魔化すのだった。


                                              完

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