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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾捌話-苗字
732/758

苗字-6

 残り三日で事件を解決しなくてはならなくなった長四郎。


 再度、周同句司を訪ねる為、勤務先へと向かった。


 が、目的の人物である周同句司は休みを取っていた。


「休みか・・・・・・」


 長四郎は残念そうにしていると、「どうされました?」と周同句司のアリバイを証明した村田が声をかけてきた。


「いえ、周同さんに二、三お話が聞きたいなと思っていたものですから」


「そうでしたか」


「あの、周同さんは職場ではどのような方ですか?」


「特にもめ事を起こすような人ではありませんよ。はい」


「営業成績はどうです?」


「優秀な方だと思いますよ」


「そうですか・・・・・・ 優秀ですか・・・・・・」


「それが何か?」


「いや、特には。あ! もしよろしければ、営業成績表とか見せてもらえますか?」


「わ、分かりました。少々お待ちください」


 村田は資料を取りに行き、すぐに戻ってきた。


「こちらが営業成績表になります」


「拝見します」

 長四郎は受け取ると、資料を読み始めた。


 その間に村田は姿を消していた。


「バラが咲いたぁ~ バラが咲いたぁ~」長四郎は歌を口ずさみながら、資料を読み解いていく。


 そこで、気になる物を見つけた。


 周同の営業成績と村田の営業成績の数値が近いのだ。


 一例を見せよう。


 周同 04/28

取引先  入金額

島倉物産 1,500,000

岩倉商会 2,650,000

タッチ 1,460,000


 村田 04/28

取引先  入金額

H2O 1,600,000

尾崎 2,540,000

アンパン 1,470,000


 他の人間はここまで近しい数字を現していないのだ。


 長四郎はこれを見て、無性に気になった。


 そして、これが事件解決の糸口になるのではないか。長四郎はそう考えこれを辿ることにした。


 その頃、燐は一人、図書館にその身を置いていた。


「あ~ ダメだ。何の事指しているんだ?」

 燐は、ノートに殴り書きしたダイイングメッセージの解析結果を見ながら、う~んと考える。


「言うがよく分かんない」とぼやき「言う言う言う言う」とぶつぶつと呟き始める。


 すると、司書さんに咳払いで注意される燐。


「すいません」と小声で謝罪し、自分の作業に戻る。


 そして、手に取ったのは漢字辞典。


「周同句司。チョウ、トウ、コウ、シ 言 ×」


 その時、燐の頭に何かに気づいたニュータイプの音が流れる。


「ゴン弁だ!!!!!」


 今度は、確実に大きな声だったため「お静かに」と再度、注意される燐は顔を赤らめ「すいませぇ~ん」と謝罪し、席に着く。


「ゴン弁だぁ~」


 燐はノートに次のように書いて行く。


 調 → 周


 詷 → 同


 訽 → 句


 詞 → 司


「そう言うことねぇ~」燐は胸をなで下ろして、ホッとする。


「あいつ、もっと早く言いなさいよ」


 そのタイミングで長四郎から着信が入る。


 燐は場所を移して電話に出る。


「解けた?」長四郎の第一声はそれであった。


「お陰様で」


「ああ、そう。なら、良かった」


「で、何?」


「ああ、もうそろそろ追い込めるかなと思って」


「そう」


「付いて来るでしょ?」


「勿論」


「じゃ、明日、しているする場所に来て」


「分かった」


 こうして、周同句司を問い詰める算段ができたのであった。

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