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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾捌話-苗字
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苗字-4

 目的階へと到着した長四郎は、エレベーターを降りて営業のフロアへと向かう。


「周同さんはいらっしゃいますでしょうかぁ~」

 長四郎は大きな声で、目的の人物を呼び出す。


「私が周同ですが」横から姿を現した男こそが、周同句司であった。


「どうも、初めまして。私、五反田で探偵をしております。熱海と申します」


「探偵さんが何か?」その顔は思わぬ来客に驚いた顔をしていた。


「驚かせてしまってすいません。実は、阿武亜実さんの件でお伺いしたんです」


「彼女、殺されたんですよね? ニュースで見ました」


「その件で、お伺いしたんです」


「え? 警察じゃ」


「ま、事実は小説より奇なりって奴なもんで」と答えになっていない答えに首を傾げる周同に長四郎は話を続ける。


「被害者の阿武さんとは、どのようなご関係で?」


「特に目立った事は。仕事上の関係ですよ」


「そうですか・・・・・・・」


 長四郎は何か言いたげな感じを察したのか、周同は「何か気になる事でも?」と質問した。


「本当に仕事上の関係だったのかな? と」


「どういう意味ですか?」


「言葉の通りです。調べれば分かる事ですけど?」


「ここだけの話にしてください。彼女から口説かれていたんですよ」


「口説かれていた。ほぉほぉ」長四郎は興味あり気にうんうんと頷く。


「何ですか?」


「いえ、何でもないですよ。事件当夜のアリバイをお聞きしたいのですが」


「事件当夜は、同僚と飲みに行っていました」


「成程。その方、今、いらっしゃいますか?」


「まるで、刑事みたいですね」


「まぁ、刑事の代わりをやっているところですかねぇ~」


「分かりました。少々お待ちください。呼んできますから」


 そうして、連れて来られたのは、村田という男性社員であった。


「確かにその晩、周同さんと飲んでいました」とアリバイを証言した。


「分かりました。最後に、どこで飲んでいたのかを教えてもらえますか?」


「世田谷の美智子という居酒屋です」


「どうも、ありがとうございました」

 長四郎はそう言って、切り上げた。


 その頃、燐はというと・・・・・・・


 長四郎が解けたというダイイングメッセージの謎を明らかにしようと喫茶店で考えこんでいた。


「周同句司・・・・・・・ 言×・・・・・・・ あ~ ダメ。分かんない」

 燐は天を見上げて、悩ましげな顔をする。


 そんな時、着信が入る。


「もしもし?」


「もしもし? 無駄な推理をしているラモちゃんに、頼みたい事があるんだけど」


 電話の向こうの長四郎から依頼が入る。


「何?」


「世田谷にある居酒屋美智子に行って欲しいんだ」


「何で、私が?」


「頼むわ~ 事件解決の為の協力してよ」


「はぁ~」とため息の後に「分かった。で、何を聞けば良い訳?」と返事が返ってきた。


「恩に着る実は・・・・・・」

 長四郎からの依頼を受け、燐は居酒屋・美智子へと向かった。

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