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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾漆話-試練
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試練-9

「もう一度、吐かせるんですか?」


 大谷巡査はそう佐藤田警部補に言う。


 佐藤田警部補も長四郎と同じ事を考えて、犯人の男から聞き出そうと大谷巡査に相談していた。


「しかし、奴は素直に自供するでしょうか?」


「させるのさ。君は持って来いな素質を持っているよ」佐藤田警部補は、そう言ってニヤリと笑う。


「自分はそんな物を持ち合わせているとは思えないのですが・・・・・・」


 大谷巡査はそう答えるのだが、どこか嬉しそうであった。


 斯くして、作戦は開始された。


「おい、起きろ」


 大谷巡査は男の頬を軽く叩いて起こす。


「な、何ですか?」男は身を縮こめ、警戒する。


「お前に聞きたい事がある」と大谷巡査に言われた男は、「聞きたいことですか?」と眉をひそめる。


「爆弾のコード線なんだけどね」佐藤田警部補がそう言うと男の顔はニヤッと笑う。


「何がおかしいんだ!」


「いや、それを僕に聞き出そうとしている訳ですか。言っておくけど、答えませんよ」


「そう、答えない。答えないなら仕方ない」


 大谷巡査に目で合図する佐藤田警部補に答えるように、頷いて大谷巡査は答えてから男の襟をぎゅっと掴み締め上げ始める。


「な、何をするんだ!!」


「こうするのさ!!」


 大谷巡査は締め上げる力を思いっきり強める。


「く、く、苦しい!! やめ、やめてくれ!!」


「辞めて欲しかったら、吐けぇぇぇ!!!」


「そ、その手はも、もう通じないぞ」


 大谷巡査は佐藤田警部補を見ると、コクリと頷く。


「どうやら、ここで貴様を絞め殺しても良いようだ」


「な、何を言っているんだ!」


「さぁ、吐かねば死ぬぞ!」


 もはや、刑事の言う台詞じゃない事を言う大谷巡査に男は恐怖する。


「わ、分かった言う。言うから、言うから。辞めてくれ!」


「くれ?」


「ください。辞めてください」男は懇願する。


「よぉし」大谷巡査は手を緩める。


「ゲホッ、ゲホッ」むせる男に間髪入れずに佐藤田警部補は「で、解体方法を聞かせてもらおうじゃない」と質問した。


「爆弾の状態を見せてくれ」


「じゃあ、行こうか・・・・・・」


 大谷巡査は男が逃げないように首根っこを掴みながら、本部テントへと引きつれていく。


「あ、佐藤田さん」絢巡査長が声を掛ける。


「どうなの?」


「今、爆弾の解除方法を爆弾処理班総出で考えています」と報告した。


「そう。ほい、君の番だよ」


 男にそう言うと、大谷巡査は男をポンッと突き放して解放する。


「ここまでバラしたのか。あいつ・・・・・・」


 モニターに映る長四郎を見て感心する男。


“爆弾の右横にある火薬につながる線を切ってください”


「あ、あの男だ」燐が声に反応した。


「よし、切るか」


 長四郎はパチンっと指示を受けて線を切った。


「次は?」と問うと“次は。えっと・・・・・・”と男は考えこみ始める。


「ほらっ、どうしたの?」佐藤田警部補が質問すると、「それが・・・・・・」と男は困った顔をする。


「大谷君」


「はいっ!」再び男に掴みかかろうとすると男は「すみません。思い出せないんです」と答える。


「しらばっくれるのか!」大谷巡査が怒鳴り上げると「ま、待ちなさい」と抑える佐藤田警部補。


「分かりました!!」克典がマイクのスイッチを入れる。


“探偵さん、タイマーの線を切断してください”


「タイマーの線だよ」


「言われんでも、分かってるよ」


 長四郎はそう言って、タイマーに繋る線を切った。


“切ったら、タイマーを外してください”


 長四郎は克典の指示に従い、タイマー本体を外す。


 そこに、赤と青と白の三本線があった。


「線が出てきた・・・・・・」


“探偵さん、その線のどれかを切らないと行けませんが、その線がどれなのかが分からんのです・・・・・・”


 克典は、バンッと叩いて悔しがるのだった。

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