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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾漆話-試練
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試練-8

「そんな事して大丈夫なの?」


 燐は爆弾の解除をし始めた長四郎に質問した。


「大丈夫なんじゃない?」と適当に答えながら、爆弾のカバーを外す。


「探偵さん、頑張ってください」そう応援するリリに「おう」と答える長四郎は作業を続ける。


“長さん。爆弾処理班の人が到着しました”


 そう絢巡査長の報告が入る。


「あ、来た!」と嬉しそうな声を出す燐。


“爆弾処理班の克典(かつのり)です”という自己紹介の後に“まず、現状の写真を見せて欲しいのですが”と指示が飛んできた。


「ラモちゃん、送って」という長四郎の指示の通り、燐はスマホで爆弾を写真に納めて絢巡査長のスマホに送信した。


“時限式のものですね。では、最初に手前の黄色の線を切ってください”


「はぁ~い」と長四郎はニッパーで黄色のコード線を切断した。


“次に、信管を開けてください。その際に中に入っている線を切らないよう注意してください”という指示のもと、長四郎は注意事項に気を使いながら、ゆっくりと信管の蓋を外す。


「ふぅ~」と息を吐いて、ホッとする長四郎達。


“では次に、信管の中の写真を撮影してください”


 燐はそれを絢巡査長のスマホに送信し、“その信管の中心を通る青色の線を切ってください。周囲の赤線は切らないように。切ったら、爆発します”と指示が飛んできた。


「切るなよ」と燐がプレッシャーを掛ける。


「じゃあ、ラモちゃん。宜しく」長四郎は燐にニッパーを手渡そうとする。


「嫌よ。自分で切りなさいよ」と拒否して見せる燐は「リリ、宜しく」と友人の海部リリに託そうとする。


「嫌だよ。探偵さん、宜しくお願いします」とリリは長四郎に委ねる。


「結局、俺か・・・・・・」ガックリと肩を落とす長四郎は、仕方ないと覚悟を決める。


 震える手を掴み、「はっ」と気合いを入れ、パチンっと青線を切断した。


“切れましたか?”と克典のアナウンスが入る。


「切れましたぁ~」と長四郎が答えたのを聞いた克典はマイクのスイッチを切った。


「どうしたんですか?」横で固唾を飲んでいた絢巡査長が尋ねる。


「実は、この先が分からんのです」と克典は正直に答えた。


「どういう意味ですか!」と大谷巡査が喰ってかかる。


「言葉の通りです。信管の線を切る所までは、合っているはずなのですが。タイマーの切り方が分からんのです。写真を見る限りこの構造であればタイマーは止まるはずなんですが、そう言わなかったでしょう」


「ちょっと、すいません」と克典を押し退け、絢巡査長はマイクのスイッチを入れる。


“長さん、タイマーは止まりましたか?”


「いや、止まってない。てか、次の指示を請いたいんだけど。克典さんはおトイレ?」

 そう長四郎の逆質問が返ってきた。


“実は、それでタイマーは止まるはずらしいんです”

 絢巡査長は正直に告げた。


「止まってないって、事はダメって事か・・・・・・」

 長四郎はゲェ~ って、顔をする。


“すいませんが、暫し時間をください。必ずや解除方法を見つけ出しますんで”


 克典はそう言って、頭を下げる。


「分かりました。但し、あまり時間は取れませんよ」長四郎はそう答えると“勿論です!”と克典は答えマイクのスイッチを切った。


 克典は爆弾処理班のメンバーを集め、こう言った。


「聞いての通りだ。何としても爆弾処理して見せる。みんなの知恵を貸してくれ!!」


「おう!!」という野太い返事が返ってきた。


 爆弾処理班全員で、爆弾処理の方法について議論が開始された。


 それを見て絢巡査長は頼もしく思うのだった。


 そして、それを待っている間に長四郎達はというと・・・・・・


「もしかしたら、ここのフロアにこいつを解除するヒントが隠されているかもしれない」

 長四郎がそう言い出した。


「どういうことよ。犯人は分かってないって、言っていたじゃない」と燐がすぐさま、反論する。


「でも、最後の部分は聞いているんじゃないか? もし、爆発させようと思ったらあんなにすぐに次のフロアへ案内する真似はしないと思う」


「でも、探偵さん。探偵さんの言う通りだとして、それ、聞き出せないんですかね?」とリリが言う。


「聞き出せたら、ラッキーだな。でも、俺達が今、出来ることをしよう」

 長四郎はそう言って、考えこみ始めるのだった。

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