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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾漆話-試練
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試練-5

 その頃、ビル内では次のフロアへと移動した。


 次は、60階。今度の試練は・・・・・・


“次の試練は、裏切り者を見つけ出せ! 人狼ゲーム!!”


「裏切り者ぉ?」燐は眉をひそめる。


「この中に、裏切り者が?」


 リリはその場に居た全員を訝しんだ目で見る。


「そんな目で見ない」と長四郎に注意され、「すいませぇ~ん」と謝罪する。


「裏切り者がいるですって。誰よ・・・・・・」


 帝都は他の人間から、一歩下がって穿った目で見る。


「わ、私じゃないぞ」と高橋が言う。


「僕だって、違う」と庵野も否定し、「僕も同じです」と寺田も否定する。


「猜疑心だらけになっちゃうよ・・・・・・」

 燐は困ったと言わんばかりに頭を掻く。


「それが狙いなのかもな。互いに協力した後でのこれか・・・・・・ 奴さん、面白いな」


「探偵さん、感心しない」


「すいません」と素直に謝罪する。


「どうやって、その裏切り者を見つけるかでしょ?」


「燐、そう言うけど。本当にいるのかな? 裏切り者」


「居るから、こうやって試練として与えられるわけだし」長四郎は淡々とした態度で言う。


「言っておくけど、私、じゃないから」と帝都は自分ではない事を強調する。


「それは、聞きました。というか、貴方じゃないのは分かってるんで」


「え? あんた、裏切り者が誰か、分かってるの」


 長四郎はコクリと頷いて答える。


「うそっ」リリは一番驚いてみせる。


「噓じゃない。答えは簡単。裏切り者は・・・・・・」長四郎はそう指さしたのは「貴方だ。寺田さん」と寺田を指さす。


「僕が裏切り者? どうして?」


「答えは簡単といったでしょう。俺は貴方に防毒マスクをお渡ししていない。俺が見つけた箱には6個の防毒マスクしか入ってなかった」


「それだけで?」


「そうだよ」


「あんた、もう少し考えたら他にも箱があるとは考えないの?」


「ラモちゃん。それだったら、他にスタッフも居るはずだよ」


「一つだけしか入ってなかったら、どうするの?」と燐は水を差す。


「あのさ、この状況を楽しむには人数が多ければ結構、楽しいものになるはずだぜ。でも、犯人はそれをしなかった。少数精鋭にこだわったのに意味があると思うぞ。俺なら」


「なんか、犯人みたい」と言うリリの言葉に残りの人間はうんうんと頷く。


「俺が犯人な訳ないでしょう」と取り繕ってから「寺田さんは水先案内人の役割じゃないか」と言う。


「水先案内人?」燐は首を傾げる。


「そう。俺たちが犯人の思惑通り、動かない場合を想定して水先案内人を用意して思惑通りに動くように仕向ける。俺だったらそうするね」


「そんなまさか・・・・・・」燐は寺田を見ると自分じゃないと言うように首を横に振る。


「否定してるけど?」


「他の方はどう思いますか?」

 長四郎は高橋達にお伺いを立てる。


「私は、君の言う通りだと思うな」と高橋が答えた。それに続いて「僕も」と庵野が答える。


「私は違うに一票ね。彼女の言う事に賛成する」と燐の意見bに賛同する帝都。


「りりちゃんは?」


 そう聞かれたリリは少し考えた後、口を開いた。


「私は探偵さんに一票かも」


「リリ?」


「だって、この人たちは協力しようともしなかったのに、寺田さんは率先して協力しようとして来た。水先案内人としてなら、なんとなくだけど、謎解きしようとしているうちらの手伝いしようかなって思ったから」とリリは自分の考えを示す。


 燐はそれにケチをつけることはなかった。


「お~い。ゲームメーカー、聞いてんだろ? これって、多数決なのか満場一致なのかどっちなんだい?」

 長四郎が天井を見上げながらそう聞く。


“そうですね。この場合、多数決で決めましょう。答えはお決まりですね”


「ああ、寺田さんが裏切り者だと思う人は俺の下に集まぁ~れ!」


 そして、長四郎の下に集まったのはリリ、高橋、庵野の三人であった。


“では、正解発表! 探偵さんの勝利!! 寺田は僕が用意した水先案内人でしたぁ~ では、エレベーターに乗り込んでください”


 寺田をその場に残して6人はエレベーターに乗り込み、次のフロアへと向かった。

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