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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾陸話-賄賂
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賄賂-10

「稲垣暁美が足繫く学校に通っていた理由って何?」燐は一番の疑問を長四郎に問うた。


「何だろうな」と適当な返しをする長四郎は口を窄める。


「探偵さん、稲垣暁美さんは気づいていたんじゃないですかね? 横領について探っている

人間が居た事を・・・・・・」明野巡査が推理して見せる。


「泉ちゃん、勘が鋭いねぇ~」長四郎は明野巡査を褒める。


「ありがとうございます」


「なぁ、だとしたら、その稲垣なんとかさんが犯人有力説じゃない?」と遊原巡査がこれま

た勘の良い事を言う。


「遊原君も良いこと言うねぇ~」


「あんた、さっきから人を褒めてばっかじゃん」


「褒めることは、悪い事じゃないでしょ?」


 長四郎は悪びれる様子もなく窓から見える高校生達の姿を見て、懐かしく思うのだった。


 四人は学校を後にして、外で昼食を取ることにした。


「ねぇ、あんたが考えている犯人ってどんな人物」

 燐はそう質問しながら、サクサクのコロッケを頬張る。


「裏帳簿に関わる人間だろうな」長四郎はそう答えながら、メンチカツを口に入れる。


「ねぇ、ご飯の時ぐらい事件の話は辞めない? せっかくの美味しい料理が台無しになっちゃうよ」明野巡査がそう言うと「そう? ご飯食べている時の方が冴える気がするんだよね。ね、長四郎」燐は長四郎に賛同を求める。


「泉ちゃんの言う通りだわ」とピシャッと燐を切り捨てる長四郎にうんうんと頷く遊原巡査。


「なんか、私、一人だけ悪者?」


「悪者だろ? ラモちゃんは」


「それ、どういう意味よ」


「言葉の通り。エビフライ頂き!」

 長四郎は燐の食べるはずだったエビフライを口に入れるのだった。


「あ、泥棒!! 泉ちゃん、逮捕して!!」


「ラモちゃん、奪われたら奪い返したら?」


「泉、刑事の言う事じゃないだろ?」


「そぉ? 食べ物の恨みは怖いから」


「その隙に、頂き!!」燐は遊原巡査の皿に載っていたとんかつの一切れを奪う。


「あ、てめぇ!!」


「祐希、人の事言えないよ・・・・・・」


 明野巡査はやれやれと言った顔で、長四郎の皿から唐揚げを一個、取り上げるのだった。


 昼食を食べ終えた四人は、事件現場へのマンションへと向かった。


「ここがどうしたんですか?」明野巡査が長四郎に質問する。


「どうしたって。現場百回。気になることを思いついてね」


 長四郎はそう答え、現場ではなく門口早苗が主人と眠る寝室へと向かった。


「ここがなんだって、言うの?」


「ラモちゃん、大切なものを隠すときどこに隠す?」


「普通は金庫。でも、金庫がないってことは・・・・・・ 自分の机の引き出しかなぁ~」


「そう。でも、早苗さんの机らしきものはあったか?」


「無かったですね」と明野巡査が答える。


「無い。で、その中で怪しいのはこの鏡台だ」

 長四郎はそう言って、鏡台の引き出しを開ける。


「ビンゴぉ~」


 その中には、黒革の手帳が入っていた。

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