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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾陸話-賄賂
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賄賂-6

 翌日、燐は事件現場へと来ていた。


 だが、先客が居た。そう、長四郎である。遊原巡査を連れ立って事件現場へと来ていた。


「なんで、あんたがここに居るの?」


「それはこっちの台詞だよ。よく一人ノコノコ来たな」と感心する遊原巡査。


「来て悪かったわね!!」


 燐は憂さを晴らすかのように長四郎の尻をバンッと叩く。


「なぁ~んで、俺が叩かれなくちゃいけない訳?」


 涙目で訴える長四郎に燐は「ムカついたから」という身勝手な理由を述べる。


「酷いな」と遊原巡査がそう言う。


「酷いよね?」長四郎が同情を買おうとすると「もう一発、お見舞いしようか?」燐がニコニコ笑顔で告げる。


「結構です」


「宜しい」


「では、事件の捜査に戻りましょうか?」

 遊原巡査が話を修正し、三人は事件の捜査に乗り出す。


「被害者は、専業主婦の門口 早苗さん。47歳。彼女の死因は頭部に受けた打撃による脳出血です」


「凶器は?」遊原巡査に長四郎が質問すると凶器の写真を見せる。


「この灰皿で、一撃」


「それ以上は言わなくて良いわ」


「そうですか」少しつまらなさそうに答える遊原巡査に今度は燐が質問した。


「遊原君、指紋は?」


「拭き取られていた」


「そう、ありがとう」


「どう、思うよ」燐は長四郎の見解を求めると「う~ん。計画的な犯行ではないだろうな」と答える。


「なんで、そう思うんです。探偵さん」


「凶器だよ。計画的犯行であれば、そんな凶器は選ばないでしょ。咄嗟的に近くにあった灰皿を手にとって殴っただろうな」


「で、殺して。やべぇと思って指紋を拭いたと」


「そうなんじゃない? 知らんけど」無責任な事を言う長四郎。


「知らんけどって・・・・・・」


「それで、探偵さんはこっからどう捜査を進めるんですか?」


「どうしようかなぁ~ あ、ラモちゃんはどうするの?」


「実はこの殺された人ってのが」


「ラモちゃんが調べている横領事件をタレこんだPTA役員ってとこだろ?」


 長四郎は話も聞かずズバリと言い当てる。


「当たってる。チキショー」燐は悔しがる。


「悔しがってないで。ラモちゃんはこれからどうするの?」


 遊原巡査にも聞かれた燐はう~んっと考えた後に、口を開いた。


「この部屋にあるかもしれない裏帳簿を探そう!」と。だが、それは一蹴された。


「それは無いと思うよ。犯人が持ち去っているか、別の場所に隠しているかの二択だ」


「探偵さんに一本!」遊原巡査はそう判定を下す。


「え~」不服そうな燐。


「でも、その裏帳簿がカギなのは間違いないから。そっちから調べてみるか・・・・・・」


 長四郎の提案が採用される形となり、三人は部屋を後にした。


 次に向かったのは、燐が通う変蛇内高校であった。


 裏帳簿が学校にあるのでは、という長四郎の推理の元、PTA役員室へと入室した長四郎、燐、遊原巡査の三人。


「ねぇ、本当にあると思う? こんなところに。私だったら、こんなところに隠したりしないな」


「葉っぱを隠すなら林より森の中って奴でな。あるかもしれない」


 だが、捜索から1時間が経過しても、裏帳簿らしきものは見つからなかった。


「ダメだったじゃん」燐が文句を言うと「めんご」と謝罪の言葉を述べる長四郎。


「で、お次はどうするんです?」


 遊原巡査が質問した時スマホに着信が入った。

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